東京電力・柏崎刈羽原発の再稼働の是非を問う県民投票条例案を審議する臨時県議会は2日目の審議を終えました。4月18日の採決を前に各会派は対応を協議。最大会派の自民党が反対の方針を決め、条例案は否決される見込みです。
■自民党県議 反対を表明「知事の強いリーダーシップ期待」
市民団体の請求を受け、柏崎刈羽原発の再稼働の是非を問う県民投票条例案を審議するため、4月16日から開かれている臨時県議会。
2日目の17日は各会派による一般質問が行われました。
最初に質問に立ったのは、原発が立地する柏崎市刈羽郡選出の自民党県議です。
【柏崎市刈羽郡選出 自民党 与口善之 県議】
「(再稼働に)責任を持てない県民が行う意思表示は有効な判断材料にはならない」
県民投票に否定的な立場を示した与口県議。地元の柏崎市や刈羽村の議会では、原発の早期再稼働を求める請願が採択されています。
仮に県民投票の事務を担うことになる市町村が仮に協力しない場合に実施可能かどうかを問うと、県の担当者は「市町村の協力がなければ事実上困難である」と答えました。そして…
【柏崎市刈羽郡選出 自民党 与口善之 県議】
「県民投票条例の制定には反対を表明し、今後の知事の強いリーダーシップを期待して質問を交代する」
■野党系会派「二者択一が最も傾向つかめる手法」
一方、野党系会派は県民投票に賛成の立場を示し質問に立ちます。
【未来にいがた 小林誠 県議】
「県民の意思を推し量る手段として、二者択一が最も傾向がつかめる手法にほかならないのではないか」
【リベラル新潟 北啓 県議】
「県民投票は関心の高さを投票率で知ることもできると考えている」
さらに、この中で繰り返し口にしている「信を問う」の内容を質された花角知事は…
【花角知事】
「この言葉が持つ意味は、多くの方が『信を問う』という言葉でイメージできるものがあると考えている」
17日も知事から具体的に踏み込んだ答弁は聞かれず、その審議のあと、各会派は対応を協議。
野党系会派の未来にいがたとリベラル新潟は、条例案に対する知事意見で不備が指摘された開票事務に関する文言などを直した修正案を共同で提出することを決めました。賛成・反対の二者択一の選択肢については変えない考えです。
【未来にいがた 大渕健 県議】
「県民に信を問うと言ってきたわけだから、再稼働の話が迫ってきている中、(方法を)示さないということで、不安視をされる中で今回の動きが出てきたのではないか」
【リベラル新潟 小泉勝 幹事長】
「○×でしかないとはいえ、これ以上の数の人の意見を聞ける方法はほかにない」
■自民党は知事に同調 条例案は“否決”される見通しに
一方、最大会派の自民党は…
【自民党 岩村良一 幹事長】
「知事もご指摘の通り、多様な意見は二者択一ではなかなか把握することができない」
二者択一の選択肢を課題とする知事に同調し、反対することで一致。議会の過半数を占める自民党などにより、条例案は否決される見通しです。
【自民党 岩村良一 幹事長】
「公平な両論併記の形での議論が進む、あるいは意見聴取・意識調査が進むといったことが重要」
2013年の前回審議に続き今回も叶わない見込みとなった県民投票実施の願い…採決は4月18日行われます。