2025年3月、札幌市でとあるユニークなオンラインゲームの配信がスタートした。
テーマはなんと不倫。しかも制作したのは法律のスペシャリストたちだ。
その全容を取材した。
「不倫」が題材のゲーム 制作したのは…弁護士!?
3月末、札幌市であるゲームが誕生した。
タイトルは『法律相談~出張の真実~』。
なんとも意味ありげなタイトルのこのゲーム…テーマは不倫。

【妻】「連絡がなくて心配したのよ」
【夫】「会食が盛り上がって抜ける時間がなくてさ」
【妻】「ん?キヨト(夫)からのメッセージだ
『出張最高だったわ! また行きたいね!』!?」
主人公の女性が夫の出張先での浮気を疑いその証拠を探し出すというものだ。
制作したのは札幌弁護士会の弁護士たち。
自分たちで脚本を考えた完全オリジナルストーリーだ。

「弁護士に対するハードルを下げられたら」ゲーム制作の背景
法律のスペシャリストたちが、なぜゲームを作ったのだろうか。
「プレイしてもらうことで親しみやすさというか弁護士に対するハードルというのを少し下げられたら、というところで思い切った決断をした」(福田 光宏 弁護士)

弁護士がどんな存在か…街の人に聞いてみると。
「お金もかかるんだろうなとか思ったらハードルが高いなって思います」
「すごく大変なことじゃないと弁護士って相談しないと思う」(いずれも札幌市民)
札幌弁護士会の法律相談センターではあらゆる相談が可能だ。

「離婚」は相談内容の2割を占める
2024年度の相談の内訳は生活の中でのトラブルなど法律の相談が4割で、次いで、離婚が2割と多く、そのほか遺産相続や借金、職場のトラブルなどであった。

札幌弁護士会は、全国で唯一どんな相談でも原則3回まで無料としているが、あまり知られていないのが現状だ。
「出張相談をする時に『無料で相談できるんだ』と初めてそこで知る人がすごくたくさんいる」(福田 光宏 弁護士)

では、なぜ不倫をテーマに選んだのか。
厚生労働省の調査によると人口1000人あたりの離婚率は、沖縄県、宮崎県に次ぎ北海道は全国3位。
夫婦のことで、悩んでいる人も多いのでは、という事で、分かりやすいテーマが選ばれたという。

実際にゲームに挑戦!証拠はどこに?
一体、どんなゲームなのか石井雅子リポーターと廣岡俊光アナウンサーが挑戦!
不倫の証拠探しで、石井さんが目をつけたのはクローゼット。
「クローゼット…スーツ持ってますね。おや?すっごいショック!腹が立つ!長い茶色の髪の毛を手に入れました」(石井リポーター)
「出ました」(廣岡アナウンサー)
「私は黒髪だし」(石井リポーター)
「誰のだと」(廣岡アナウンサー)
次に狙うは鍵のかかった引き出し。
まずは鍵探しから。

「ここのポケットじゃない?面白いこれ、スーツのポケットに何か入っていないだろうか…。小さなカギを手に入れた!さっきの引き出しじゃないか。引き出し行くんじゃないか」(石井リポーター)
「石井さん焦らないで」(廣岡アナウンサー)
「おや?」(2人)

「高級旅館の領収書」(石井リポーター)
「2名様分」(廣岡アナウンサー)
「手に入れた。これは出張じゃ中々使わないよね~」(石井リポーター)
集めた証拠をもとに法律相談センターへ…。
しかし弁護士の返答は。
「残念ながら?ううん?今回集めたものだけでは不貞を示す証拠としては十分ではありません。ええっ!」(石井リポーター)
プレイヤーの選択や証拠集めの結果によって、ストーリーの展開が変化するのがこのゲームの魅力。

困ったときは、弁護士に相談を
「ゲームで体験することでちょっと面白く、でも真剣にっていう…なるほどね」(廣岡アナウンサー)
「この場合だったら、どう質問に答えてくれるのかというのがあらかじめわかるから、このゲームやってから相談を考えている人は相談するといいかもね」(石井リポーター)
ゲームの中では、弁護士はどうしたいか?と何度も聞いて、情報を整理してくれる。
最後には、離婚するのか、慰謝料をとりたいのか、そのまま過ごしていくのかなど、決断をするのは自分自身である。
トラブルがない事が一番だが、弁護士に相談できると知っていると、いざという時に心強いだろう。
