大阪・阪南市で14日、数十年前に廃業した元温泉旅館で不審火が発生。近くを走るJR阪和線が4本運休し一部列車が遅延した。元旅館は心霊スポットとして不法侵入が絶えないという。
数十年前に廃業した旅館で火災
イット!取材班が向かったのは大阪・阪南市。のどかな里山の風景が広がる場所にポツンと廃墟が建っており、立ち入り厳禁と書いてある。

生い茂る木々に覆われ、ひっそりと佇む元温泉旅館。壁には、誰が書いたか落書きがいくつも確認できる。建物は激しく損傷し、営業している様子はない。
1930年に開業したこの旅館は40の客室や100畳の大宴会場を備え、多くの温泉客で賑わっていたというが、住民によると数十年前に廃業したという。
近隣住民:
(子どもの頃)旅館で遊んでいた。この辺はよくマツタケが採れた。秋になったら、お客さんでいっぱいですごかった。
かつて“大阪の奥座敷”と称された温泉街、今ではその姿は見る影もない。

周囲に立ち入りを禁止する看板が多数設置された廃旅館が、15日は物々しい雰囲気に包まれていた。14日午前5時45分頃、廃旅館で火災が発生したのだ。
取材の最中もパトカーが現場検証のためか、敷地内に入るのが確認できた。
記者:
建物の中、燃えた後なのでしょうか、黒くなっていますね。
火の手が上がったのは、畳を積み上げていた2階の部屋だった。
近隣住民:
びっくりしました。誰も住んでいないのに…ちょっと不安ですよね、こういうことがあれば。
イット!は、火災の第一発見者だという女性に話を聞くことができた。
近隣住民:
すごく黒煙が上がって大変だったみたい。線路のところまで(煙が)来てて…物騒ですよね。
現場近くにはJR阪和線が通っているため、この火災の影響で4本が運休したほか、一部の列車に遅れが出たという。
放火と自然発火も視野に捜査
誰もいないはずの廃旅館での火災。近隣住民からはこんな不安の声が上がった。

近隣住民:
若い子が、心霊スポットと言って来るらしい。警察は一生懸命捕まえようと思ってやっているが、あかんねん。
火災があった廃旅館では、ネットで“心霊スポット”として取り上げられ、ユーチューバーなどの不法侵入が後を絶たない。
約3年前に投稿した動画では、客室とみられる部屋に畳が積み上げられていた。トイレは壁中ぎっしりと落書きだらけ。さらに名物だった露天風呂は、床や天井が損傷し、荒れ果てた状態。いつ崩れてきてもおかしくない危険な状況だ。
YouTuber:
これは怖い…これは怖い。

イット!が動画の投稿者に問い合わせたところ、返答はなかった。近所の人によると、線路の中から旅館に侵入している人がいるという。
警察は、放火と自然発火の可能性も視野に、出火原因を調べている。
(「イット!」4月15日放送より)