1枚の写真から街を再発見!兵動大樹の今昔さんぽ。

1961年(昭和36年)に京都市下京区で撮影された写真。

路面電車が、神社の前ギリギリのところを走っています。実は“不思議な地名”にゆかりのある写真なのだそうです。

■餅とうどんのお店のご主人が“路面電車”を覚えていた

西本願寺から少し東にある「相生餅食堂」のご主人は、路面電車が走っていたころのことを覚えていて、写真の場所は「五条通を過ぎて、松原通の手前に神社がある。その辺(の地名)が『天使つらぬき(?)』というところ」だと教えてくれました。

北上しながら地名を探っていくと、「下京区天使突抜(てんしつきぬけ)町」という看板を発見。実は今回の写真は、「天使突抜」という地名にゆかりのある写真だったのです。食堂のご主人は少し覚え違いがあったようです。

■平安遷都と同時期に創建された「天使の宮」

聞き込みに答えてくれた街の皆さんの情報はちょっとずつ違っていたのですが、ともかく情報に当てはまる神社へ行ってみることにしました。

「五條天神宮(ごじょうてんしんぐう)」の宮司・佐々部昭一さんに写真を確認してもらうと、「鳥居のきわをすれすれで走っていましたよ」と懐かしそうに話してくれました。

■秀吉の京都改造「天使の宮」の鎮守の森を突き抜ける道が造られた

佐々部さんによると、「五條天神宮」は平安遷都の年である794年に創建されました。

桓武天皇の命で大和国・宇陀から天の神を勧請したのが始まりで、「天神」と書いて、「てんしん」と濁らずに読むのだそうです。

かつては「天使の宮」と呼ばれていました。

豊臣秀吉が「天正の地割」で京都の区画を変えた際、もともと広かった「天使の宮」の鎮守の森も、秀吉によって道を通されたことで、いつしかそのエリアが「天使突抜」と呼ばれるようになったのです。

【兵動大樹さん】「京都を散歩すると、面白い素敵な地名がいっぱいあります」

▼兵動さんの今と昔を探る旅の全ては、動画でじっくりお楽しみください。
https://youtu.be/9Skx7Xtp0gs

(関西テレビ「newsランナー 兵動大樹の今昔さんぽ」 2025年4月4日 金曜日放送)

関西テレビ
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