こちらは、がん治療で乳房を切除した患者の胸を補正する下着、そしてウィッグに帽子です。

熊本市は今年度、これらの用具購入への助成を拡充しました。

「生涯のうち2人に1人はがんにかかる」と言われる今患者のQOL・生活の質向上への支援が進みつつあります。

熊本市の鶴屋百貨店です。

下着売り場の一角では10日まで、福岡の専門店による予約販売会が開かれていました。

集められた商品はがん治療で切除した胸を補正するためのパッド、そして体への負担を軽くしてくれる下着です。

【尾谷いずみキャスター】
「こちらはワイヤがないタイプの下着(ブラジャー)です。裏側を見ますと、大きめのパッドの出し入れがしやすい作りになっています」

一見すると普通のブラジャーですが補正用パッドがずれにくく、一般的なものよりも胸をしっかりと包み込めるよう設計されています。

鶴屋では定期的に補正下着やパッドなどの予約販売会を実施。次回は8月に開くということです。

他にもがん治療によって脱毛など外見の変化をカバーしたいという患者のためのウィッグ。

そして帽子売り場には入院中や退院後にも活用できそうなニット帽などが揃っていて男女を問わずニーズがあるということです。

こうした商品を購入するがん患者に対し、熊本市は昨年度から費用の助成を始めました。

【熊本市 医療対策課 福永 幸子 課長】
「がん治療が進んで生存年数が長くなったり、通院で治療できる環境が整ったこともあり、通学や仕事をしながらがん治療を両立させている患者が増えてきた。『治療と社会生活の両立を支援したい』とこの事業が始まった」

そして今年度、熊本市は助成対象品目と上限額を増やしました。

対象は胸部補正下着やパッド、ウィッグ、帽子などで助成額は購入費用の2分の1、上限は2万円です。

がん患者の心理的・経済的負担を軽減し、社会生活をサポートする『アピアランスケア』と呼ばれる取り組み、今、自治体に広がり始めています。

熊本市は費用の助成品目として帽子も対象としていますがこれは珍しいそうです。

熊本市の新制度は4月1日以降に購入したものが助成対象となります。

対象者の年齢・性別は問いません。

がん治療を受けたことが分かる書類などが必要で、自治体によって対象や金額に違いがありますのでお住まいの市町村にお問い合わせください。

テレビ熊本
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