長崎県壱岐沖で転覆した状態で見つかり、乗っていた3人が死亡した医療用ヘリの事故で、9日、機体の引き揚げが行われました。10日、唐津市の港に陸揚げされ、詳しい調査が始まる予定です。

【報告・TNC槌谷志保】
「午前10時44分です。今、引き揚げられたヘリコプターの機体が海上にあがってきました」

この事故は、4月6日、長崎県の対馬から福岡市に向かっていた医療搬送用のヘリが、壱岐沖で転覆した状態で見つかったもので、患者と付き添いの息子、医師の3人が死亡しました。
唐津海上保安部によりますと、9日午前7時ごろから潜水士が海に潜りワイヤーをヘリコプターにかけ、船に引き揚げる作業を行ったということです。
引き揚げられたヘリコプターは、プロペラが折れているほか、操縦席の窓が割れて無くなっているのが確認できます。
また、ヘリには不時着など強い衝撃を感知した場合に自動で救難信号を送る「ELT(イーエルティー)」という機器が付いていましたが、今回は海上保安庁などに信号が届いていませんでした。

このほか、ヘリのGPSは対馬空港を離陸した17分後に通信が途切れたということです。
回収された機体は10日、唐津市の港に陸揚げされる予定で、国の運輸安全委員会や唐津海上保安部による詳しい調査が始まる予定です。

また、9日、唐津海上保安部は業務上過失致死傷などの疑いで佐賀市の運航会社「エス・ジー・シー佐賀航空」に家宅捜索に入りました。
午前9時すぎから3時間ほどかけて、運航状況についての書類の差し押さえなどを行ったということです。今後、証拠品の捜査が進む見通しです。

サガテレビ
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