石破首相は9日朝、首相官邸で江藤農水相と約1時間にわたり会談し、コメ価格の高止まりが続いていることを受け、政府備蓄米を夏まで毎月放出するよう指示した。これを受けて江藤農水相は、今月21日の週に第3弾として10万トンの備蓄米の入札を行う方針を表明した。
石破首相は、消費者が円滑にコメを購入できるよう、集荷・流通・小売りなどの業者に米価格高止まり解消に向けた取り組みを要請することや、必要に応じてさらなる対応策を躊躇なく講じることができるよう検討することも指示した。
会談後、江藤農水相は記者団に対し、石破首相からの指示について「消費者の皆様方への安定的な供給を通じて上昇した米の価格を落ち着かせるため、この夏の端境期まで切れ目なく政府備蓄米が供給されるよう、夏まで毎月、政府備蓄米の売り渡しを実施すること。その際、可能な限り早く消費者の皆様方の手に渡るよう対応策を検討するとともに、今月21日の週には、第3回目の10万トンの入札を実施すること」との内容だったと明らかにした。
江藤大臣はさらに、3回目の放出分は1・2回目の放出時よりも早く店頭に並ぶよう努力する意向を示すとともに、業者への取り組みの要請の一環として、来週早々に卸売業者、大手小売業者を集めての意見交換会を実施すると表明した。
その上で「なかなか消費者の方々が、備蓄米放出があったにもかかわらず価格が下がっているということを実感できていないことを大変総理は憂慮されている」と述べ、「7月の端境期を超えるまで定期的に米を毎月放出することによって、流通の世界において米が足りない状況は、備蓄米を放出することによって解消するということだ」と説明した。
また、放出は7月まで4回行うことになるとの見通しを示し、5月以降の放出量は状況を見て判断する方針を示した。