2025年版の「外交青書」が8日、公表された。ロシアと北朝鮮の軍事協力の進展について「深刻に憂慮すべき」と指摘している。
2024年1月から約1年間の国際情勢や日本外交の取組についてまとめたもので、岩屋外相が8日の閣議で報告した。
外交青書では、北朝鮮の部隊がロシアに派兵されるなどの両国の軍事協力の進展について、「ウクライナの情勢のさらなる悪化を招くのみならず、日本を取り巻く地域の安全保障に与える影響の観点からも、深刻に憂慮すべき」と明記した。
また、中国については、去年に続いて、「戦略的互恵関係」を包括的に推進する政府の方針を記した。
その一方で、南シナ海での中国船とフィリピン船との衝突などをあげ、「法的根拠のない拡張的な海洋権益に関する主張」に基づいて「地域の緊張を高める行動を継続・強化している」と指摘。日本は「力や威圧による一方的な現状変更の試みや緊張を高める行為に、強く反対してきている」と明記した。
アメリカについては、2月の日米首脳会談にも触れ、「トランプ政権と強固な信頼関係を構築し、日米関係をさらに深化させていくと同時に、国際社会が直面するさまざまな課題についても意思疎通を行い、日本としての貢献を続けていく」としている。