3日のアメリカ・トランプ政権による関税アップの発表は、輸出拡大を狙う県内の日本酒や水産物の関連業界にも大きなショックを与えています。

*江藤農水相
「2400億円あまりがいまアメリカに対する輸出。生鮮食品だけではなく、清酒や様々な食品、その他のものについても直接影響がある。」

富山市にある桝田酒造店。
県酒造組合の会長を務める桝田隆一郎会長です。

*県酒造組合 桝田隆一郎会長
「こんな風な貴醸酒という洒落た瓶のものもありますし、ここにあるものほとんどは
輸出が少しずつされている。富山の酒造組合でとらえると、アメリカはどんどん伸びている。去年の伸びがすごく大きい。」

県が海外への輸出拡大を狙う品目の一つ「日本酒」。
2023年度のアルコール類の輸出額は5.8億円と7年前の10倍以上に増えていて、特にここ数年、アメリカへの輸出が伸びています。

さらなる市場拡大を狙う矢先の関税アップ。
ショックは大きいものの桝田会長は打ち勝つ策を考えていくとしています。

*県酒造組合 桝田隆一郎会長
「25%で、末端では35%とか40%上がりますから、大きいインパクトですね。僕たちが困る、大変だといっても何も変わらないので、どう乗り越えるかですよ。アメリカに対してそれでも3割4割上がっても売れるような商品を開発するとか、我々が努力するタイミングだと思っている。売る努力をするしかないと思っている。」

一方、水産業でもトランプ関税による懸念が広がっています。

魚津漁業協同組合がアメリカ向けに新たに輸出を計画している商品。

ホタルイカのしょうゆ漬けです。

3年前に東南アジア向けに輸出をはじめたホタルイカのボイルに続く第二弾の商品として計画。年間数千万円の売り上げを見込んでいました。

しかし、3日の発表に想定が大きく狂ったとしています。

*魚津漁業協同組合 濱住博之組合長
「このような大きな数字(関税率)が出てくるとは想定していなかった。おそらく消費が見込めたとしても高いものは敬遠されると思う。難しくなった。」
 
魚津漁業協同組合は、輸出先を東南アジアに変えるなど計画の方針転換が迫られています。

県は、このトランプ関税による不測の事態に備えて、県庁の商工労働部地域産業振興室に「金融特別相談窓口」を設置しました。

アメリカの関税措置の影響を受ける中小企業者からの相談を受け付け、資金繰りなどを支援し、金融の円滑な運営を図るとしています。

富山テレビ
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