大津町で地元の人に愛された飲食店が事業承継されました。
15年前にこの店を取材した中原キャスターが、店主の思いを聞きました。
【中原理菜アナウンサーリポート】
「ご無沙汰しています」
【旬彩遊楽 金田百合子さん】
「お久しぶりです」
大津町役場の近くにあった『旬彩遊楽」。
約15年間、地元に愛されてきましたが、今年2月に閉店しました。
これは、2010年にこちらの店を取材したときの映像です。
【金田百合子さん2010年当時】
「世の中が慌ただしくなってくる中でゆっくりできる場所を提供したい」
【中原アナ食リポ】
元教師のオーナー金田百合子さんが作る体に優しい料理が人気を呼んでいましたが…
70歳を越え、後継者のいない金田さんは『事業承継」で店を譲る決意をしました。
【金田百合子さん(72)】
「(50年働いてきたので、もういいのかな)という思いがあってやめることにしました」
県商工会連合会によるマッチングが成立し、同じ大津町で飲食店を営む市原義輝さんに事業を承継することになり、3日契約調印式が行われました。
高齢化や後継者不足で廃業する中小企業は後を絶たず、技術の継承や雇用維持が課題になる中、事業を「やめる」でなく「託す」『事業承継』が選択肢の一つになっています。
【譲渡側 金田百合子さん】
(中原アナ:どんなお店として受け継いでほしい?)
「食を大切にする。お客さんがゆっくり食を楽しみながら過ごせる 場所にしてもらえたら…」
【譲受け側 市原義輝さん】
「『地産地消』をうたわれているので、うちも熊本県産(の材料)を使っていきたい」
県外で料理人をしている市原さんの長男と三男が今後、和食やイタリアンの店を開く予定。
提供する料理は変わっても、金田さんの思いは受け継がれます。