福岡市で2024年夏、エアコンの室外機が壊される事件が10件以上相次ぎ、警察はそのうち1件について器物損壊の疑いで40代後半の男を書類送検した。室外機を自ら破壊する行為で、修理を依頼させ代金を受け取ったとみられていて、関係先の家宅捜索では、はしごやドライバーのような物も押収されていて、事件の全容解明をに向け捜査が進められている。

エアコン室外機“連続破壊”事件で40代男を書類送検

店の営業に欠かせないエアコンの室外機が相次いで壊された事件で、捜査に大きな進展があった。

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リポート:
いま捜査員がコンテナの扉を開けています。

福岡市内の貸倉庫で2024年12月、FNNのカメラが捉えた警察の家宅捜索の様子。

捜査員が倉庫内から運び出した段ボールには「エアコン」という文字がある
捜査員が倉庫内から運び出した段ボールには「エアコン」という文字がある

捜査員が倉庫内から運び出した段ボールには「エアコン」などと書かれているのが分かる。

警察がこの倉庫を捜索した理由が…「エアコン室外機“連続破壊”事件」だ。

福岡市南区で2024年、エアコンの室外機が壊される事件が相次ぎ、警察は器物損壊の疑いで40代後半の男を書類送検した。

事件が起きたのは2024年夏。
異例の猛暑が続きエアコンが欠かせない中、室外機が「標的」になった。

その理由を探るため取材班は被害に遭ったというラーメン店に向かった。

ラーメン店店長:
自分がカウンターの端に立っている時にすーっと入ってきた感じです。

このラーメン店には2024年8月13日の朝、突然、エアコンの修理業者が訪れた。

業者はチラシを持ってきて、「エアコンの掃除をしませんか?」と話したという。

開店準備を進めていた店長に対し業者の男が示したチラシには、エアコンの掃除が安価でできるとPRしている。

しかし店長は男の営業を断ったという。

すると、男は「室外機のガスが漏れています」「もうすぐ効かなくなりますよ」と話してきたという。

男から知らされた室外機の「異変」を、すぐに店長が確認したところ、男が言う通り室外機に穴が開きガスが漏れていた。

そして男は「うちならすぐに修理できます」と切り出したという。

修理代は20万円から30万円で、店長は突然の訪問だったこともあり結局、修理を断ったという。

ラーメン店店長:
(男が来る前の)約6~7時間はエアコンが効いていた状態。その人が帰ったあとは全然効かなくなった。

さらに店長は驚きの事実を知る。

ラーメン店店長:
次の日は“エアコン故障のためお休みします”と張り紙を出して休んでいたら近くの店舗さんが同じ状況に遭って…。

近くの洋食店でも同様の被害

そう、すぐ近くの洋食店もまさに同じ事態に陥っていたのだ。

取材班はその現場へ向かった。

洋食店店長:
エアコンが効かないから見に来たら(男が)来て「どうしましたか?」と。
「エアコンが効かないから出てきた」と言ったら(チラシを出して)「こういうエアコンの修理をしています」と…

ーーチラシはこれですか?
洋食店店長:
これですこれ。間違いない。

猛暑の中、突然、壊れたエアコン。店長はこの緊急事態で現れた男に若干の不審感を抱きながらも修理を頼んだという。

洋食店店長:
「修理の人を呼びます」と言って、30分もしないうちに車できて修理をした。
怪しいなタイミング良すぎると思ったけど、そこまでは疑っていなかった。
(金額は)9万なんぼですよ。支払い時に「もう8万円でいいですよ」と…。

警察は、業者が自らエアコンを破壊し修理を持ちかけることで、エアコンの修理代を請求したとみている。

捜査関係者によると、福岡市南区では2024年8月エアコンの室外機が何者かに壊される事件が10件以上発生している。

このうち1件について、警察はエアコンの修理者を営む40代後半の男を書類送検。

関係先の家宅捜索では、はしごやドライバーのような物も押収されていて、事件の全容解明をに向け捜査を進めている
(「イット!」 3月25日放送)

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