アメリカ政府高官が、ロシアの侵攻を受けるウクライナが大統領選挙の実施で合意し、NATO(北大西洋条約機構)への加盟も事実上断念したとの見方を示しました。
トランプ政権のウィトコフ中東担当特使は3月21日に公開されたインタビューで、「ゼレンスキー大統領にとって取引をまとめるのに絶好の機会だ」と述べた上で、ウクライナが大統領選挙の実施に合意したことを明らかにしました。
しかし、具体的な実施時期などは明言しませんでした。
ウクライナの大統領選挙はロシアの侵攻により延期されていて、ゼレンスキー氏の大統領としての正当性を巡っては、ロシアのプーチン大統領が疑問視する主張を繰り返しているほか、トランプ大統領も選挙の実施を求めています。
また、ウィトコフ特使は、ゼレンスキー大統領が「NATOに加盟できないことをほぼ認めている」と主張し、ウクライナがNATO加盟を事実上断念したとの持論を展開しました。
このほか、ロシアが一方的に併合したウクライナ東部と南部の4州での住民投票の結果に関して、「圧倒的多数がロシアの統治下に入ることを望んでいる」との認識を示しました。
領土問題については、トランプ大統領も21日、記者団に対し、和平交渉に向けて領土の分割に関する協定が協議される見通しを示していて、ウクライナに譲歩を迫る相次ぐ発言に反発が強まりそうです。