10万円商品券配布問題で野党などから批判が相次いでいる石破首相。批判の声は野党だけでなく、連立を組む公明党の西田幹事長も「長期政権のおごり」と苦言を述べた。
野党側が内閣不信任案を提出するのか否か注目される中、各党から石破首相に「政倫審」出席を求める声が相次いだ。
“商品券配布問題”苦言は与党からも
自らの10万円商品券配布問題が、政権運営に影を落とし始めた石破首相。18日朝、記者の問いかけに目線を合わせず、無言で右手を挙げて応じていた。

その後に行われた閣議では、隣に座る村上総務相とは笑顔で会話を交わしていたが、カメラ撮影の時間になると、口を真一文字にしていた。

石破首相:
政治資金規制法の第何条の、どの趣旨をおっしゃっておられますか?
(Q.21条の2項に抵触するのではないか?)
ですから、そこのどこの部分ですか?

石破首相はこれまで、商品券問題について国民に不信感を招いたことについては、陳謝をした一方で、“法的には問題ない”と説明している。
そんな石破首相にこの日も…。

国民民主党 玉木代表:
「ブルータス お前もか」じゃないですけど「石破 お前もか」みたいに思っている国民も多いと思うんですよ。

野党だけでなく、連立を組む公明党の西田幹事長も「長期政権のおごりであり、また、緩みであるということで誠に遺憾であると。国民の皆さまは、到底理解できないという、憤りをお持ちの方が多いわけであります」と苦言を呈した。
「不信任案」提出に慎重な野党
石破首相の商品券問題に揺れる国会。注目されるのが、野党側が内閣不信任案を提出し、石破首相の退陣を求めるのか否か。
立憲民主党の小川幹事長に18日、記者からこんな質問が飛んだ。

――攻撃材料として政治とカネの問題を長引かせたいとか、今の支持率の低い石破首相で参院選を迎えたいとか、そういった思惑で内閣不信任案に慎重なのではないか?
立憲民主党 小川幹事長:
いたずらに長引かせたいとは思っていませんが、簡単に終わらすわけにはいかないと。
現時点での内閣不信任案の提出には慎重な考えをにじませ、政治倫理審査会の場で、首相の弁明を求める構えを改めて示した。
国民民主党の玉木代表も次のように話した。

国民民主党 玉木代表:
このこと(商品券問題)ばかりに、予算委員会はじめ各委員会での審議の時間が使われることは、日本の国益にとっても良くないと思いますから、政倫審に出て、しっかりと弁明、ご説明をされることを求めたいと。

また、日本維新の会の前原共同代表も政倫審での首相の弁明を求める一方で、高額療養費の負担上限額引き上げの凍結を反映した、2025年度予算の再修正案に賛成する方針を示した。
止まらぬヤジ…「政倫審」出席求める声
18日、衆議院の本会議では、10万円分の商品券配布で石破首相に向け「総理の感覚はどうなってるんですかー!」「応援に行くとも言ったんですよね?それ、政治活動じゃないんですか!」といった多くのヤジが浴びせられた。

サイバー関連の法案審議中、立憲民主党・山岸議員が「多くの国民が『正直がっかりした。信じられない。時代にそぐわぬ』と。今後どのように説明責任を果たすお考えか」と追及した。

これに石破首相は「私が行いました商品券配布についてのお尋ねをちょうだいいたしております。お尋ねの件は、法的には問題がないものと認識していますが、様々なご批判ご指摘を受けていることにつきましては真摯に受け止め、猛省しなければならない」と述べたが、答弁の間にも「一晩で150万!」などヤジが飛んだ。

さらに、商品券問題の答弁が終わっても「政倫審出てください!」「原稿に穴空くぞ!前見てしゃべれ!」「(商品券は)三越ですか?松坂屋ですか?」などヤジは続いた。

強まる批判に首相周辺は「申し訳ありませんと言い続けるしかない」としているが、野党は今後も厳しく追及していく方針だ。

そして18日午後、石破首相が商品券の配布を巡って野党側が要求している衆議院の政治倫理審査会への出席について、応じる意向であることが分かった。
自民党が立憲民主党に伝えたもので、政倫審での弁明を石破首相自身は申し出ないものの、審査会で申し立てが議決されたならば応じる意向としている。
(「イット!」3月18日放送より)