東京で1月8日、過去観測史上初めての早さで、スギ花粉の飛散が観測された。
ピークは例年並みで、異例の長期化が予想されている。
花粉症には、レーザーや抗体注射などが保険適用で受けられるため、早めの治療が大切だ。

例年より1カ月早い花粉…飛散量も例年よりやや多くなる予想

今や国民病ともなっている「花粉症」。
自分に症状がなくても、家族が苦しんでいるという人も多い。

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2025年の花粉症は、「異例の長期戦」だという。
すでに例年より花粉の飛散が約1カ月早く始まっているということだが、長引く予想となっている。
いったいいつまでなのか、最新の治療事情とともに解説する。

遠藤玲子キャスター:
長年、花粉症の患者を診てきた耳鼻科の医師は、口をそろえて次のように話します。

ながくら耳鼻咽喉科アレルギークリニック・永倉仁史院長:
飛散開始が1月に来たっていうのは本当にない。1月に東京で飛んだことがないです。今年は本当に過去観測史上初めて。

目白もちづき耳鼻咽喉科・望月優一郎院長:
例年と比べて、今年は花粉症症状が出る方のスタートが早い感じで、もう続々と患者さん訪れている印象です。ちょっとびっくりですよね。普通は2月に入ってから。

遠藤キャスター:
さらに、患者からも声が上がりました。

ーー花粉を感じる?
患者:

感じています。1週間くらい早いイメージですね。

ーー症状はいつから?
患者:

1月頭です、今年は。

ーー1月頭に来たのは?
患者:

初めてです、最速です。

患者:
先週くらいから花粉(症)気味に。1月ですよね!早いですね。

遠藤キャスター:
それもそのはず、東京都では例年より約1カ月早く、1月8日からスギ花粉の飛散が確認されています。これは統計開始以来、最も早いということなんです。飛び始めが早いということは、花粉のシーズンは早く終わると思われますが、気象予報士の望月さんに聞いてみました。

日本気象協会・望月圭子気象予報士:
日本気象協会の花粉飛散予測によると、東京のスギ花粉シーズンのピークは例年と同じ時期と予想しています。飛散開始が約1カ月早いと考えると、2025年は異例の長期戦が考えられます。花粉の飛散量も例年よりやや多くなる予想です。

遠藤キャスター:
飛散開始は過去最も早く、ピークは例年並み。異例の長期戦を覚悟してください。

では、今できることはあるのでしょうか?
毎年花粉症に悩まされている人は、すでに準備を始めていました。
耳鼻科で患者が受けていたのが、鼻へのレーザー治療です。

レーザー治療患者:
花粉症の時期になると(鼻水が)ひどくなるので、レーザーで打っていただいて、そうすると楽になるので。

レーザー治療患者:
薬代とか考えても、全然(レーザー)やった方がいいと思います。

遠藤キャスター:
この治療は、鼻粘膜にレーザー照射することでアレルギー反応を起こしにくくし、鼻づまりなどの症状を抑える治療法です。

目白もちづき耳鼻咽喉科・望月優一郎院長:
片方5分くらいで終わっちゃう。もう終わりです。どう?鼻の通りむちゃくちゃいいと思うけど。

レーザー治療患者:
いいです。

ーー痛かったですか?
レーザー治療患者:

痛くないです、全然。

ーー来たときより?
レーザー治療患者:

鼻がすーっと。  

遠藤キャスター:
レーザーの照射は数分で終了。料金は保険適用で約9000円だということです。

目白もちづき耳鼻咽喉科・望月優一郎院長:
(レーザー治療希望者は)増えてますよね。今年なんかは結構もう年末から多くて。レーザー希望者が多くなって、(例年)この時期だと1日2~3人程度だけど、きょうなんかは6件。

症状が重い人には抗体注射も

遠藤キャスター:
花粉症の治療は、ほかにもあります。花粉が飛散する前に始めるといいのが、舌下免疫療法です。これは、アレルギー物質が入った錠剤を舌の下に入れ、花粉のアレルギーに免疫をつける治療です。効果が出始めるまでに、約半年かかります。根治するまでは治療に4~5年かかる治療法です。根治すれば効果は半永久的で、薬代のみの値段で年間3万円かかります。

遠藤キャスター:
レーザー治療は、治療時間わずか数分で、価格は約9000円で効果は1年から2年程度なんですが、花粉が飛び始める前に治療しないといけないので、今のうちなんだそうです。

そして、一般的な対処療法として、飲み薬や点鼻薬、点眼薬などがあります。数百円からと値段も安く、さまざまな症状に対応できますが、効果の持続期間は1日となっています。

また、花粉の時期になって症状が重い人には、抗体注射という治療法もあります。1回1万円~で、効果は2週間~1カ月程度持続します。花粉のピーク時期でも症状が収まらない重症の場合、医師との相談のうえ、受けられるものです。いずれも保険適用となります。

青井実キャスター:
いろんな治療がありますが、何かやってこられましたか?

スペシャルキャスター・岩田明子さん:
抗体治療以外は、全部やりました。本当に重症化して、肌も荒れるし、目は真っ赤だし、コンタクトは入らなくなるし。あと、腹痛にもなりました。

宮司愛海キャスター:
早いうちからやるのが、大切だと思いますよね。

いろいろな治療があるので、自分にあった治療を早めに行うことが大切だ。
(「イット!」1月22日放送より)

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