1月の大根に異変?!
12月の乾燥した天候の影響で十分に育たなかったため、大根が平年と比べて小ぶりで、農家からは「出荷できない」など嘆きの声が聞かれた。
大根の価格は平年の1.8倍に達しているが、農林水産省によると「天気が適したものになれば出荷も良くなる」という。

アツアツおでん主役の大根「高い。細くて短い」

17日に「イット!」が向かったのは、東京・台東区にある上野公園。
その一角で目に飛び込んできたのは、長い行列。
行列のお目当ては、寒い日に恋しくなるアツアツのおでんだ。

東京・上野公園で19日まで開催されている「おでん&地酒フェス2025」
東京・上野公園で19日まで開催されている「おでん&地酒フェス2025」
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上野公園で16日から行われているのは、全国各地のご当地おでんや地酒が楽しめるグルメイベント「おでん&地酒フェス2025」。

ダシがしみ込んだ大根が入ったアツアツのおでん
ダシがしみ込んだ大根が入ったアツアツのおでん

ダシがしみ込んだ大根に舌鼓を打つお客さんの姿も見られた。

おでんの主役ともいえる大根だが、この冬は、その大きさがいつもと違うという。

イベントを出店する店長らは「(値段が)高いです。細くて短いかな」、「去年も同じ大根を注文したけど、一回り以上小さくなった。かわいいサイズになっちゃった」と話した。

大根農家「ここまで大きくならない年は珍しい」

その産地として全国的に知られる神奈川・三浦市の大根農家からも、この異変を嘆く声が聞かれた。

大根の“小型化”に農家から悲鳴が
大根の“小型化”に農家から悲鳴が

やまいち農園・宇田川喜昭さん:
大根自体はすごく出来はいいんですけど、キレイなんですけど、品物の大きさがちょっと小さくて。このぐらいがいいんですけど、ここまで大きくなれなくて小さいものが多い。

理想的なサイズのものと比べると、その差は一目瞭然。
たとえきれいに育っても、小さいものは出荷できないという。

ここまで大きくならない年は珍しいという、この事態。
原因はいったい何なのか。

やまいち農園・宇田川喜昭さん:
12月に雨がほとんど降らなかった。栄養とれないから大きくなれないんですよね。

神奈川県内では、12月にまとまった雨がほとんど降らず、関東全域で空気がずっと乾燥した状態だった。

土は水分をほとんど含まずサラサラした状態
土は水分をほとんど含まずサラサラした状態

そのため、大根を育てる大切な土も、水分をほとんど含まずサラサラした状態となっていた。

実際に収穫した大根の重さを量ってみると、一番大きい3Lサイズは約1.9kg。
これに対し、一番小さいSサイズとなると、ギリギリ700グラムあるかという程度だ。

やまいち農園・宇田川喜昭さん:
おでんは太い方がいいじゃないですか。これだとちょっと小さいので。

現在は、その平均小売価格も高めで、最新のデータでは平年の1.8倍。

農水省の見解
農水省の見解

農林水産省によると、「大根の価格はやや回復傾向にあり、天気が適したものになれば出荷も良くなってくる」という。
(「イット!」 1月17日放送より)