山梨・富士河口湖町で、富士山とコンビニエンスストアを撮影しようと、多数の外国人観光客が危険な横断を繰り返していた。
町は過去に黒幕を設置するなど対策を実施し、17日には新しい柵を設置するなど対策を進めているが、いまだに車道を渡る行為が続出している。
コンビニ富士に外国人観光客殺到…対策の効果は
インバウンドを象徴するニュースとして、2024年にたびたび取り上げてきた、山梨・富士河口湖町の富士山の見えるコンビニ。
富士山とコンビニを一緒に撮ろうと、外国人観光客が殺到していた。

危険な横断などの迷惑行為はあとを絶たず、町が対策で設置した目隠し用の黒幕も話題になった。
そのコンビニに、新たな動きがあった。
17日のテーマは「コンビニ富士乱横断に新対策、ソレってどうなの?」だ。
最初にニュースになった2024年5月、多くの外国人観光客がベストショットを撮るために集まっていた。
この場所では、コンビニ越しの雄大な富士山が青同士のカラーリングも相まって、“映える”と話題になっていた。

コンビニから約10メートルの場所に横断歩道があるにもかかわらず、車道への飛び出しやゴミのポイ捨てなどの迷惑行為が深刻化した。
町は警備員を増員し、対策に乗り出したが、状況は改善しなかった。

そのため、道路の反対側から富士山を見えなくするため、町は巨大な黒幕を設置した。
設置する日には、海外のメディアも取材に訪れるほどの国際的なニュースとなった。
目隠しの黒幕が張られたことで、観光客は減少し、これで一件落着したかに見えたが、1週間もたたないうちに複数の穴が開けられる事態になった。
その後、景観に配慮した茶色の幕に張り替えられると、8月には台風対策のため幕が取り外された。
それから約4カ月、黒幕がなくなったことで、外国人観光客の数が再び増加していた。

町はコンビニ側の2カ所に、高さ80cm・長さ3メートルの新たな柵を設置した。
さらに、近くの横断歩道を目立たせ利用を促すため、24日に通常の白だけから緑と白に塗り替える予定だ。
“コンビニ富士”がお目当ての外国人観光客に、「今度は柵が設置されましたけど、どうですか?」と聞いた。
シンガポールからの観光客:
車道を人が通ると事故が起きるから、柵は良い対策だと思います。
オーストラリアからの観光客:
人で混んできたら危険があると予測できます。横断歩道以外を渡ったりして。柵があるのは良いことだと思います。

設置された柵の効果はあるのか、しばらく観察してみた。
取材ディレクター:
車道を走って渡っています。スマートフォンを反対側の人に届けました。また、走って戻って来ました。車道を渡っていますね。車来ますね。
危険な横断をした中国からの観光客:
前の人も横断歩道を使わなかったので、大丈夫だろうと思っていました。
非常に車通りが多い道路で、約10分の間に少なくとも5人が車道を横切る危険な横断をしていた。
柵設置も横断絶えず
青井実キャスター:
ーー山口さん、どうしたらいいんでしょう?

スペシャルキャスター・山口真由さん:
横断歩道を渡ってゴミ箱にゴミをちゃんと捨てた人だけが、1枚だけ、10秒だけ写真を撮れるみたいなアナウンスにしてみるとかどうですか。
青井キャスター:
ーールールを守ってもらうために、そこまでしなきゃいけないのかってことですよね。
新しい柵ができたのに、車道の横断がなくならないのには理由があった。
現場をよく見てみると、コンビニの反対側の柵は駐車場の出入口を除き、複数の柵で横断できなくなっていた。
一方、17日に新たに設置された柵は、駐車場の入口を大きくふさがないように、3メートルの柵が2つしかない。
これでは、柵がない場所から簡単に車道を横断できてしまうということだ。
柵を設置した富士河口湖町の担当者に伺うと、こんな答えが返ってきた。

富士河口湖町の担当者:
反対側の歩道にある柵と互い違いに設置することで、まっすぐ渡ることを防ぐために、あの場所に設置した。店前の柵を延長させることについて、コンビニ店側と協議している。
設置初日から課題が浮き彫りになった新たな対策。
この現場周辺が落ち着きを取り戻すのはいつになるのだろうか。
(「イット!」12月17日放送より)