台風3号が沖縄に接近する中、23日には石垣市で強風と高波が観測された。
24日にはさらに発達し、最大瞬間風速65m/sの猛烈な風が予想される。
台風の影響で、全国的に猛暑や大雨のおそれがあるという。
台風が非常に強い勢力で接近
大型で強い勢力の台風3号は23日、沖縄の南の海上を北上しており、今後、沖縄県の先島諸島に接近する見込みだ。

沖縄・石垣市で23日午前9時過ぎ、海にはいくつもの白波が立ち、浜辺に打ちつけていた。
浜辺の木々を見ると、風で大きくあおられている。
このあと台風3号は、さらに発達し、24日には非常に強い勢力で先島諸島に最も接近する見込みだ。

石垣市内の住宅には、風で飛ばされたもので窓ガラスが割れないよう、防護ネットが張られていたほか、漁港では船を陸に引き上げるなど早めの台風対策がとられていた。
台風3号の予想最大瞬間風速は、八重山地方で65m/sと、一部の家屋が倒壊するおそれもあるほどの猛烈な風が予想されている。

夏休みに入り、観光客の姿も見られる石垣市。
熊本から来た観光客は、「海に入りたかったから、台風来たのはちょっと残念」とコメント。
横浜から来た観光客は、「雨が降っちゃってビーチとか行けないので、宿でゆっくり過ごそうかなと思ってます」と話している。
また、すでに交通機関にも影響があり、石垣島と周辺の離島を結ぶフェリーのターミナルでは、運航状況のモニターを見ると、すでに午後の便が運航取りやめとなっていた。
影響は、空の便でもあった。
石垣空港では、予約変更の手続きのため、カウンターには多くの人が並んでいた。
東京から来た観光客は、「本当は明日帰る予定だったんですけど、明日は飛行機が飛ばないので、木曜日か金曜日のに振り替えてもらう手続きで来ています」と話す。
別の東京から来た観光客は、「きょう帰りたかったんですけど、キャンセル待ちがいっぱいみたいなので、もう数日沖縄に滞在しなきゃいけない。ホテルの中でみんなでトランプして、ゆっくり過ごそうと思います」とコメントした。
24日昼前から夕方にかけて、先島諸島に接近する見込みの台風3号。
暴風や高波、高潮による浸水や冠水、大雨による土砂災害や河川の増水などに厳重な警戒が必要となる。
最大瞬間風速65m/sと強風予想
ここからは、望月圭子気象予報士が解説する。

青井 実 キャスター:
ーー台風3号の最新情報は入っていますか?
望月 圭子 気象予報士:
台風3号の予想進路です。23日午後3時は、「大型で強い勢力」ですが、24日は「非常に強い勢力」に発達して、沖縄・先島諸島に最も接近する見込みとなっています。暴風や高波などに警戒が必要です。

青井 キャスター:
ーーこの台風は、どのくらいの強さですか?
望月 気象予報士:
2番目に強い階級である「非常に強い」で近づく予想となっています。
最大瞬間風速予想は、沖縄本島地方で30m/s、大東島地方で25m/s、宮古島地方で35m/sとなっています。特に、八重山地方(石垣島地方. 与那国島地方)が強く、65m/sとなっています。65m/sは、建物が倒壊し始めるほど猛烈な風です。

2019年9月に千葉を襲った「台風15号」では、千葉市で「最大瞬間風速57.5m/s」を観測しました。この台風の影響で、ゴルフ練習場の柱が倒れ、家屋を直撃してしまいました。また、ガソリンスタンドの天井が崩壊したり、トラックが横転したりと大きな被害が出ました。
青井 キャスター:
ーー24日、沖縄・八重山地方に、これ以上の強い風が吹くおそれがあるということですか?
望月 気象予報士:
これを超える可能性もあります。
台風の影響で厳しい暑さも
青井キャスター:
ーー台風3号の影響は、沖縄以外にもありますか?

望月気象予報士:
沖縄だけでなく、全国に影響してきます。台風が進んでくると、上昇流の影響で本州付近にある太平洋高気圧の勢力が強まって、全国的に厳しい暑さが続くことになります。
さらに影響は、暑さだけではありません。この台風は、大陸方面へ進む予想ですが、台風由来の暖かく湿った空気が来週前半にグルッと回って、北日本へ進むという予想もあります。そのため、北日本の日本海側中心に大雨のおそれもあります。台風から離れているからと油断しないで、暑さや大雨に注意が必要です。

青井キャスター:
ーー暑さにも、影響があるということですね?
望月気象予報士:
各地で23日も、35℃以上の猛暑を示す「紫」が多くなっています。猛暑日地点数は「253地点」で、23日午後4時時点で3日連続で200地点を超えました。
最も暑かったのは、千葉・市原市の牛久で「39.0℃」となっています。北海道も、美幌で「36.2℃」と、あわせて4カ所で猛暑日となりました。東京都心の最高気温は「34.5℃」で、東京より北海道が暑かったようです。
スペシャルキャスター 山口真由さん:
北海道は、昔は涼しかったですが、今は熱帯夜が増えているのかと思いますね。

望月気象予報士:
今後1週間の全国の天気を見てみますと、引き続き猛暑日の予想が多くなっています。
青井キャスター:
ーー紫になっていないと、一瞬安堵(あんど)しますが、赤でも、33℃・34℃と暑いですよね?

望月気象予報士:
気象庁が発表した最新の「3カ月予報」によると、10月まで全国的に平均気温が平年より高いという予想となっています。
青井キャスター:
ーー30℃以上が続く可能性もあるということですか?
望月気象予報士:
夏だけでなく秋も暑くなり、残暑が秋まで続きそうです。そのため、衣替えのタイミングが難しくなりそうです。
9月・10月の降水量は、東日本・西日本の太平洋側と沖縄・奄美で「平年並み」か「多い」という予想になっています。湿った空気や秋雨前線の影響で、雨が多くなりそうです。
青井キャスター:
引き続き、熱中症対策などに警戒してください。
(「イット!」 7月23日放送より)