「ヒゲの殿下」で親しまれた三笠宮寬仁さまの長女彬子さまが、自身の体験をつづった著書「赤と青のガウン」。

2015年に発行されたこの本が、今SNSを中心に大きな話題となり、10万部を超えるベストセラーになったというのです。
一躍時の人となった彬子さまが、フジテレビの単独インタビューに答えてくださいました。

彬子さま:
最近本屋さんに行きますと、話題の新刊とか旬の本みたいな形で取り上げていただいていることが多くて。平積みで置いてあるので、すごくうれしく見ているとちょっとニヤニヤしてしまうんですけれども。
ベストセラーとなった「赤と青のガウン」は、彬子さまがイギリスのオックスフォード大学で学ばれていた時の経験をつづった“留学記”。
タイトルの由来は、博士号を取得した人だけが着ることのできる特別なガウンの色、彬子さまは学位取得の際に、このガウンをまとわれていました。

本が、ブレイクするきっかけとなったのは、2023年5月9日にXに投稿されたこんなポストでした。

「プリンセスなのに格安航空で移動して僻地の空港で外交パスポート出して怪しまれたり、かと思えばエリザベス女王にお茶に招待されたりしてて、プリンセスの日常が面白すぎる。」
“プリンセス”ならではの悩みと、格安航空で移動する庶民的な部分が興味を引いたのか、このポストには「面白そう」「内容が魅力的」との声が相次ぎ、2024年4月には文庫版が発売されることとなりました。

彬子さま:
よくぞ見つけてくださったなっていうことがありがたいですし、バズらせてくださったおかげで、「読んだら面白かった」みたいなことをつぶやいてくださっている方もいらっしゃいますし、本当に“かよ”さんがいらっしゃらなかったらこの文庫本の出版はなかったと思いますので、それは本当にありがたく感謝しております。
「なんであなた外交旅券もってるわけ?」
留学中は、格安航空を使われることもあったという彬子さま。
ロンドン郊外の空港を利用されたときに、入国審査場で起こったこんなエピソードも書かれていました。
「眉間にしわを寄せたおばさんが次にした質問は、『ところで、なんであなた外交旅券もってるわけ?』である。返答に困ったが、『日本のプリンセスだから?』と正直に答えてみた。するとそのおばさん、三秒くらいの沈黙ののち、『Oh…』とつぶやいた。」
(「赤と青のガウン」より)

皇族である彬子さまが持っていたのは一般のパスポートとは違う、茶色の表紙の外交旅券だったのです。
「スーツケースを自分で運び、ジーンズにセーター姿で目の前に立っている女の子が、まさか本物のプリンセスだとは思えなかったのだろう。」
(「赤と青のガウン」より)

著書の中でも、反響の大きかったエリザベス女王とのエピソードについて、彬子さまは当時のことをこう振り返ります。
彬子さま:
本当に大切な時間を頂戴したなということで、ただただありがたく思いますし、緊張をほぐすようにいろいろなお話を女王陛下の方からふってくださったりですとか、本当に気楽なお話をたくさんさせていただきまして、女王陛下のお孫さま方の話も、とてもお楽しそうにしてくださって、女王陛下のお顔とおばあちゃまのお顔というのが、とてもよく印象に残っております。

――今回の反響と続編について
彬子さま:
「続編はないんですか?」っていうお話をいただいたりですとか、「ドラマ化したらどうか」とか「漫画化したら、どうか」みたいな。
この本の続編を、というお話は、今回、留学記という形で、私の日常生活を留学という切り口からまとめた形になりますけれど。(帰国後)ということになりますと、私の日常で起こったなんか“すべらない話”をまとめるような形になってしまうような気もするので、そうしますとなかなか続編を書くのが難しいこともあるかなと思ったりもいたします。
現状、続編のご予定はないと言いますが、日本でも“面白すぎるプリンセスの日常”を体験されていました。

彬子さま:
私がよく京都でお伺いしているお家があるんですけれども、そこのご近所さんでは、私がいつも京都府警さんと側衛さんとスーツ姿の男を必ず従えて、ウロウロしている姿を目撃されておりまして。
その当時いた側衛に、120kgぐらいで180cm超えみたいな大きな男がいたんですけれども、その人が演歌歌手なんだっていうふうに思い込んでいらっしゃった方がいらっしゃって。「あの人、演歌歌手の人やろう」っていうので、演歌歌手の人がそれだけ足しげく出入りしているので、私は芸能人だって思っていらっしゃるみたいで。
私の友人もそれを否定すると、「じゃあ、何?」ということになるので、否定も肯定もしていないそうで。「テレビとか出てはるの?」と聞かれるので「あ、はい」って。「あ、じゃあレギュラー番組とかあるの?」「あ、はい、日曜の朝」にってお伝えになっているそうで。未だに、多分なんかそんな認識を持ってらっしゃるご近所の方がいらっしゃるようです。
さらに、今回話題になったことがきっかけで、新たにこんな“面白エピソード”も追加されたと言います。
彬子さま:
本屋さんで実際に手に取ってくださっている方とか、買おうかなって悩んでくださっている方に遭遇できないかなとずっと思っていまして。
(ある日)書店でレジに並んでいましたら、この文庫本を手に持っていらっしゃるおばさまがいらっしゃって。「あっ」っと思って、もう何の迷いもなく、「ありがとうございます、著者です!」ってお声がけをしてしまって。

すごく怪訝そうな顔で「えっ」と振り返られて、そのままニコニコしていましたら、「あっ、ああっ」て息をのみ三段階くらいでびっくりしてくださって。
「あのこういうのって、サインとかいただいたらダメなのかしら」っておっしゃったので、「なかなかないことですので、喜んでいたします」っていうお話をして。娘さんも別でいらっしゃって、合流しまして「えっ、すごいお母さん、すごいお母さんっ」てちょっと、プチパニックみたいな感じになられて本屋さんの片隅であのサイン会をさせていただいたんですけども。
(「めざまし8」6月4日放送より)