丸くて真っ白な真珠をイメージ
ゴーヤーといえば、細長くて緑色を想像すると思うが、これとは全く異なる華やかな見た目のゴーヤーが誕生した。一体どのようなゴーヤーなのか?
新しい島野菜を開発し農業を盛り上げようと奮闘する、若手生産者を紹介する。
沖縄・豊見城市にあるビニールハウス。
管理しているのは、那覇市で種苗店を営む、照屋清司さん。
ーーある珍しいゴーヤーが誕生したと聞いたのですが?
わかば種苗店・照屋清司さん:
こちらが珍しいゴーヤーの「パールゴーヤー」という品種になります。まん丸くて真っ白な真珠をイメージしたので、パールゴーヤーと名付けました
通常のゴーヤーと比べると違いは歴然。
純白でツヤがあり、気品漂う「パールゴーヤー」。
わかば種苗店・照屋清司さん:
やっぱり沖縄といえばゴーヤーというのが強かったので、違うゴーヤーを出していきたいというのが、沖縄県に生まれ育ったからこそ思いました
思い立ったのは7年前。
試行錯誤を重ね、この春に完成し、現在は販売に向けて安定した量を生産できるよう取り組んでいる。
わかば種苗店・照屋清司さん:
毎年、試験栽培をして、やっぱり形が変わったりとか、病気になったりというのもあるんですけれども、良い種を毎年毎年植えて、ようやく商品としての価値がでてきたなという段階に至ってきたので
真っ白のパールゴーヤーの味は、ガツンとくる苦みではなくて、やさしい苦み。
ゴーヤーの苦みが苦手な人でも食べることができそう。
小さな子どもにもゴーヤーを好きになってほしいと、通常のゴーヤーに比べ苦みを抑え、みずみずしい果肉に仕上げている。
わかば種苗店・照屋清司さん:
色んな活用がもしかしたらできると思いますので、それを試行錯誤しながらレシピの開発中です
魅力を積極的にSNSで発信
収穫を終え、足早に向かったのは、野菜ソムリエ・照屋法子さんの自宅。
わかば種苗店・照屋清司さん:
自分の兄の奥さんになります。最強の協力者
野菜ソムリエ・照屋法子さん:
どんなにいいものかってわかっていても、食べ方がわからないと家庭で出せないじゃないですか
野菜の魅力をより知ってもらうためには、調理方法を提供してこそというのが清司さんの考え方。
島野菜を知り尽くす法子さんの協力のもと、日々レシピの研究を重ねている。
この日のメニューは、マリネにキッシュ、ケーク・サレ。
マイルドな苦みで料理の邪魔をしないパールゴーヤーを使う事で、レシピの幅も広がる。
レシピから成長記録に至るまで、清司さんはパールゴーヤーの魅力を積極的にSNSで発信している。
わかば種苗店・照屋清司さん:
今は商品の良さを100%伝えやすい。動画にしろ、文字にしろ、写真にしろ、伝えていく力も大事だと思う。そういう時代になってきてる
「沖縄ブランド」を作りたい
大学卒業後、実家の種苗店に入社した清司さん。
店頭での販売業務をこなしながら、新商品の開発に向け、2019年にオーストラリアに渡り、最先端の栽培技術を学んだ。
家業を継ぎ、挑戦を続ける清司さんに、父の幸勇さんも期待を寄せる。
わかば種苗店・照屋幸勇代表取締役:
苗を育てる反面、自分が育ってるというそういった感じを受けますね。どんどん若いのが新しいものを発見する、新しいものをみんなで育てる。将来、若い人達の希望になってもらいたいですね
わかば種苗店・照屋清司さん:
後継者不足は現状あるとは思うんですけど、沖縄にしかない魅力が絶対にあるはずなので、沖縄の地の利を生かして、いろいろな作物を作ったりとか、またこういう変わったものを作って「沖縄ブランド」を作れれば1番いいなと思いますね
パールゴーヤーは、清司さんが目指す「沖縄ブランド」の第1歩。次はどんな島野菜を生み出すのか、清司さんの挑戦に注目。
(沖縄テレビ)