新NISAがスタートし、日経平均株価が史上最高値を記録するなど 投資への関心が高まる中、SNSを使って投資などの財テクを勧め、金をだまし取る「SNS型投資詐欺」が全国で相次いでいる。なぜ騙されてしまうのか…500万円を騙し取られた女性が巧妙な手口と明かす。

きっかけは親族からの紹介

被害女性
被害女性
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被害女性
自分の入れた金額が反映されて毎日、毎日増えているのがわかるんです。「あなたの利息は今いくらになっていますよ。合計金額いくらですよ」っていうのが出てるとワクワクしちゃうわけですよ

静岡市に住む50代の女性は2023年10月から11月にかけて親族から紹介された投資アプリで詐欺の被害に遭い、約500万円を騙し取られた。

被害者が実際に使っていたアプリ
被害者が実際に使っていたアプリ

「安全な投資だ」と思い込んでいた女性は友人にもアプリを紹介。友人も女性と同様、現金を騙し取られたそうだ。

「身内は私に紹介したことを悔やんでいますし、私もやっぱり友達に紹介したことを悔やんでいます」と女性は話す。

「SNS型投資詐欺」の手口とは

投資詐欺のイメージ
投資詐欺のイメージ

全国的に相次ぐ「SNS型投資詐欺」。SNS上で投資や副業を勧め、犯人の口座に金を振り込ませるのが手口だ。

警察によれば静岡県内では2024年に入ってから3月末までに17件の被害が確認され、被害額は5億9231万円に上っている。

女性は専用アプリのチャット機能で犯人とやりとりをしていたそうだ。

「アプリを開くとホームページに飛びます。もうなくなっちゃったけど、自分が今どのくらいあるかというのがわかる」とスマホ画面を見せながら説明をしてくれた。

被害者が実際に使っていたアプリ
被害者が実際に使っていたアプリ

「その画面にインカムマークがあってクリックするとチャット画面に飛び、チャットでやり取りをします。『いくら入金しますか』と会話が始まって手続きが進んでいく」という。

チャットでやり取りができ、入金後に金をおろすこともできたため、女性はすっかり信じ込んでしまったそうだ。

被害者が実際に使っていたアプリ
被害者が実際に使っていたアプリ

被害女性
元金が増えれば利率が上がっていく仕組みで、最初の20万円の時は0.5%。毎日0.5%がついているので2週間後に180万円を入れて200万円にしました。利率を上げるために追加でお金をいれてしまった。それも向こうの手口だと思う

日に日に金が増えていくことでさらにのめり込むようになり、女性は7回にわたり計500万円を入金した。

被害者が実際に使っていたアプリ
被害者が実際に使っていたアプリ

「いま思い返せば怪しい部分もあった」と女性は振り返る。

「振込先が法人ではなく個人名義だったので『あれ?』って思った」と言うが、「私がいま勤務しているところも銀行口座が法人名義ではなくて個人なので、そういったこともあると思い込んでしまった」と肩を落とす。

「簡単に儲かる」ことはない

静岡県 県民生活課
静岡県 県民生活課

静岡県 県民生活課によれば、こうしたSNSを使った投資や副業を勧めるトラブルの相談は増加傾向にあるそうだ。2024年2月末時点で647件で、既に前年度に比べ182件増えている。被害に遭わないためにも「簡単に儲かることはない」と呼び掛けている。

 
 

県 県民生活課・楠眞季子 班長
振込先に個人名義の口座を指定された場合は詐欺の可能性が非常に高いので、絶対に振り込まないようにしてもらいたい。簡単に儲かることはないので、友人や知人からの勧誘であっても必要のない契約はきっぱり断ってください

「貯蓄から投資へ」という掛け声に踊らされウソの儲け話にだまされないよう、くれぐれも注意が必要だ。

(テレビ静岡)

テレビ静岡
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