シャワールームの中で、上半身裸で座る1人の男性。よく見ると、頭にバリカンが当てられているのがわかる。これは大阪市にあるハンドボールの強豪高校で、ハンドボール部員が懲罰としてコーチに丸刈りにされている時に撮られた画像だ。

この部で、頻繁に体罰や不適切な指導が行われていたことがわかった。話を聞くと不適切な指導はこれだけはなかった。

きっかけは食事の準備をミス…丸刈りを強要され転校も

体罰や指導を行っていたことがわかったのは、大阪市にある関西大学北陽高校。

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画像にはもう1人の部員も、頭の半分をバリカンで刈られた姿があった。
また、ハンドボールの練習中に撮影された動画には、監督とみられる人物が部員の頭をたたく様子が映っていた。

問題のハンドボール部は、全国高校選抜大会で準優勝をしたこともある強豪として知られている。
問題を受け、9日午後5時から緊急の保護者会を開催し、説明が行われた。
学校側によると、2人の部員が丸刈りにされたきっかけは、2023年3月に行われた合宿の際に食事の準備をミスしたことだったという。

その懲罰として、複数の部員らがスマートフォンのカメラを構える中で、監督やコーチが中心となって生徒2人をシャワー室に座らせ、バリカンで頭を刈ったという。

さらに、2人以外の別の部員も丸刈りを強要されたため、転校していたことも判明した。

「死ねとかはよく言われている」以前から問題となる体質あったか…

その部員の母親が、9日取材に応じ、「授業中に子どもがスマートフォンを操作していて(担任から)注意を受けて怒られた。それをクラブの顧問(監督)に報告をしたところ、責任をとれと言われたようなんです」と話した。

また、母親は他の生徒からも、「おなかをグーでパンチされているとか、頭をたたかれている子がいると聞いた。死ねとかはよく言われている」という話を聞いたという。
また、「うちの子にも、どういう状況?って聞いたら、結構な力で平手打ちされている子とかおるって言って、ちょっと見てるのもしんどいみたいなことを言っていた」と話した。

ハンドボール部には、以前から問題となる体質があったのか?
OBは「坊主にしてこいよというのは、昔からあるにはあったかもしれないけど、そんな強制的ではなかったですけどね。僕がいるときは」と証言した。

監督とコーチの2人に厳重注意も…部活動の指導は継続

アトム法律事務所の松井弁護士は、教育が目的だったとしても、部活の指導者が生徒を丸刈りにすれば暴行罪に該当する可能性があると指摘。

学校側によると、監督とコーチの2人に厳重注意を行っているが、現在も部活動の指導は続けているという。
(「イット!」 4月9日放送より)

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