今週末4月7日(日)、阪神競馬場(芝1600m)を舞台に“3歳乙女”が集結。生涯で一度、3歳牝馬のみが走ることのできる牝馬クラシック初戦・桜花賞(GI)が行われる。
今年も競馬界の歴史に名を残す名牝がここから誕生するのか、注目が集まる。
2歳女王が無敗で”桜の女王”へ
一番の注目はデビューから3戦3勝と、ここまで無敗で駒を進めたアスコリピチェーノ(牝3)。
2023年6月の新馬戦を勝ち上がると、2戦目、夏の新潟2歳S(GⅢ)で重賞初タイトルを獲得。

迎えた年末の阪神JF(GI)では中団から鋭く伸び、先頭に立つと後続をクビ差で振り切り、GI・9勝のアーモンドアイや去年の“3冠牝馬”リバティアイランドのタイムを上回るレースレコード(1分32秒6)で堂々のGI初制覇。2023年度のJRA賞・最優秀2歳牝馬を受賞した。
デビュー2戦目から騎乗し、2つの重賞タイトルをプレゼントした北村宏司騎手(43)が引き続き手綱を取る。

前走の阪神JF(GⅠ)から約4カ月ぶりとなる一戦に向け共同会見では、「全体的に順調に育っている。たくましくなっている印象。自信を持ってレースに臨めそう」と力強く語った。

アスコリピチェーノは2021年のソダシ以来3年ぶり、史上9頭目となる無敗の桜花賞馬誕生へ、5枠9番から出走する。実績と自信を胸に、桜の舞台でも主役筆頭だ。
”桜冠奪取”へ有力馬が多数集結
アスコリピチェーノに雪辱を誓うのが、阪神JFでクビ差の2着で涙を飲んだステレンボッシュ(牝3)だ。

デビューから4戦全てで2着以内、連対率は100%(1着2回、2着2回)と、堅実な走りを続ける。
”桜冠奪取”へ追い風となるのが、今回初コンビを組むジョアン・モレイラ騎手(ブラジル・40)だ。

前回来日の2023年秋競馬では、重賞4勝とその存在感を遺憾なく発揮した。
“マジックマン”の異名を持ち、世界を舞台に活躍するモレイラ騎手が6枠12番から、ステレンボッシュを初タイトル獲得へエスコートする。
阪神JFで3着に入ったコラソンビート(牝3)も注目の1頭だ。

今年初戦となった前走3月10日のフィリーズレビュー(GⅡ)では前哨戦ということもあり、仕上がり途上ながらも世代上位の実力を見せ、2着に入った。
これでデビューから6戦全てで3着以内(1着3回、2着1回、3着2回)と、こちらも抜群の安定感。4枠8番から、横山武史騎手(25)が継続騎乗で挑む。
史上初の「桜花賞3連覇」なるか
国内はもちろんのこと、海外でも活躍の場を広げる川田将雅騎手(38)が史上初の「桜花賞3連覇」に挑む。2022年のスターズオンアース、2023年のリバティアイランドと、ここまで2連覇。
今年共に挑むのは、重賞初挑戦2月10日のクイーンC(GⅢ)を勝ったクイーンズウォーク(牝3)。

川田騎手は会見で「(桜花賞は)ありがたく2度続けて勝たせてもらった。クイーンズウォークという素晴らしい馬と桜花賞に挑みます。(牝馬三冠2戦目の)オークス向きだとは思いますが、上手に走ってくれると思うので、どういった結果を得てくれるか、楽しみにしている」と語った。
大型馬(前走時、馬体重516kg)でも注目を集める同馬、勝てば2016年の勝ち馬ジュエラー(494kg)を更新する「最高体重優勝」が濃厚となる。
クイーンズウォークと川田騎手は、人馬の偉業達成を目指して1枠2番から出走する。
桜花賞を勝ち上がり名牝誕生へ
桜花賞の過去6年の勝ち馬を振り返ってみよう。
2018年:
アーモンドアイ → 3冠牝馬&GI・9勝
2019年:
グランアレグリア → GI・6勝
2020年:
デアリングタクト → 史上初、無敗の3冠牝馬

2021年:
ソダシ → GI・3勝、“白毛の女王”として競馬界を席巻
2022年:
スターズオンアース → 桜花賞&オークス制覇

2023年:
リバティアイランド → 3冠牝馬
競馬ファンならもちろん、ファンでなくてもその名を聞いただけでわかる名牝たちは、この桜花賞を勝ち上がり、歴史にその名を刻んでいる。今年も名牝誕生に期待がかかる。
阪神競馬場、満開の桜の下で繰り広げられる熱戦から目が離せない。
牝馬3冠の第一関門・桜花賞は、4月7日(日)15時40分に発走する。
みんなのKEIBA 桜花賞・GI
4月7日(日)15時から生中継
https://www.fujitv.co.jp/sports/keiba/index.html