能登半島地震で倒壊したのは住宅だけではない。神社庁の調べでは、石川県内で400を超える神社の社殿や鳥居に大きな被害が出ていて、復旧の見通しは立っていない。

被害確認未調査の神社が大多数残る

最大震度6強を観測した石川・珠洲市にある羽黒神社では、石碑や灯籠、そして社殿が大きく崩れた。2024年の初詣で結ばれたとみられる「おみくじ」はそのまま。2カ月たっても時は止まったままのようだ。

崩れてしまった羽黒神社の灯籠
崩れてしまった羽黒神社の灯籠
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珠洲市の春日神社では、2022年6月に発生した震度6弱の地震でシンボルの鳥居が崩れた。この神社は、クラウドファンディングなどで2023年7月に再建されたが、2024年元日の地震で鳥居が再び崩れた。春日神社の宮司は「今後、何も決まっていない」と肩を落としている。

2023年に再建も能登半島地震で再度崩れてしまった春日神社の鳥居
2023年に再建も能登半島地震で再度崩れてしまった春日神社の鳥居

県神社庁によると、県内に神社は1867あるが、被害が確認できたものは少なくとも427で、まだ大多数は調査ができていない。

石川県神社庁・四柳光樹参事:
能登は祭りの文化と言われているように、ここは祭りを一つの地域団結・復興のきっかけとして地域としても元気づけられるのではないかと思う。(被害は)少なくとも1000社以上は確実ではないか。

「日々変わるニーズに対応できる体制を」

被害は奥能登にとどまらない。内灘町にある八幡神社では、液状化による地面の隆起で鳥居やこま犬が大きく傾いた。また、地面から噴き出た砂が周辺を覆っている。

液状化により地面が盛り上がってしまった八幡神社
液状化により地面が盛り上がってしまった八幡神社

石川県神社庁・四柳光樹参事:
現地の神職さん、氏子さんともコミュニケーションをとりながら、日に日にニーズは変わってくると思うので、それにできるだけ素早く対応できるような体制を整えたいと考えている。

神社は地域の人が集うコミュニティーの場。復旧に向けためどは立たないが、県神社庁は3月11日から奥能登に調査隊を派遣し、倒壊した社殿などから御神体や祭具を取り出すなど支援することにしている。

(石川テレビ)

石川テレビ
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