2月4日に行われた香川丸亀国際ハーフマラソンでは全国初、地上波放送での手話実況付きの生中継が行われ、多くの人にレースのさらなる魅力を発信した。

わかりやすい表現を…生中継の舞台裏

熱戦を繰り広げた4日の丸亀ハーフ、午前10時半からのテレビの生中継では1時間20分の全編で手話実況を付けて放送した。

手話実況では、アナウンサーの実況を、まず聞こえる手話通訳者が直訳。

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さらにレースの中継映像を見ながら、ろう実況者が自身の手話表現で実況する。

担当したのは、ろう実況者の早瀬憲太郎さんだ。自身もアスリートの早瀬さんは、事前に実際のコースを走り、ルートや周辺の情報を確認。
さらに、前日の記者会見で選手に取材するなどしてリサーチを重ねた。

ろう実況者・早瀬憲太郎さん:
環境的に風が強い方が得意とか、何かあるか。

JP日本郵政グループ 鈴木亜由子選手:
できれば風がない方がいいが、そういった状況でも自分をプッシュすることが次につながると思う。

上杉真穂選手の名前をわかりやすい手話表現に

ろう実況者・早瀬憲太郎さん:
上杉選手の「まお」は、手話ではこう(わかりやすい手話で)表現することにしました。

東京メトロ・上杉真穂選手:
ありがとうございます。

中継では専門用語や選手の名前など、よりわかりやすい表現を心掛ける。

関門通過の瞬間には、音声実況と同時に情報を伝えられるような工夫も。

また、手話に欠かせない豊かな表情で接戦の模様を伝え、レースを盛り上げた。

観戦したろう者からは「聞こえない人による生の手話実況はわかりやすいし、より楽しめる」「転んだなどの解説があって、選手の様子が詳しくわかる」などの声が聞かれた。

ろう実況者・早瀬憲太郎さん:
これをきっかけに、いろいろなスポーツに手話実況が付いてほしい。日本中のろう者が、もっとスポーツを楽しめるようになると思う。

バリアフリーなスポーツ観戦を目指した手話実況は、レースの魅力を多くの人に届けた。

(岡山放送)

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