輪島の朝市通りで行列ができることもある、人気のおまんじゅう。黄色い餅米をまぶした、「えがらまんじゅう」だ。
このまんじゅうを販売していた和菓子店も、今回の火災でなくなってしまった。しかし、震災から1カ月が経ち、再建への一歩を踏み出そうとしている。
全国からお客さん集まる「えがらまんじゅう」

「大好きな輪島がこんななってるから悲しくて残念です」と焼け落ちた店を見ながら涙ながらに話すのは、輪島市の塚本民子さん。朝市通りで86年にわたり和菓子を作り続けた「饅頭処つかもと」の女将だ。

塚本さんは「輪島が大好きだからですよ。生まれた土地だし、のんびり癒やされますし、生まれたところだからここが一番ですね。世界で一番なんです」とふるさとへの熱い思いについて語ってくれた。

店の看板商品は「えがらまんじゅう」。鮮やかな黄色の餅米で包まれたまんじゅうを蒸し立てで提供し、全国からお客さんが集まる人気ぶりだった。
“問題”かかえるも再建への強い思い
塚本さんと息子の圭一郎さんたちは、店をなんとか再建させようと、地元の工務店を訪れた。

焼け野原となった朝市が再建されるまで、元々、畑をしていた場所にまんじゅうを作る工場を作ろうと考えたからだ。
塚本圭一郎さん:
仕事をする場を作るために伐採なりなんなりして宅地にさせてもらおうかな。朝市再建するまでとりあえずここで頑張ろうかなという場所です。

ただ、畑に工場を建てるためには「農地転用」といった県の許可が必要で、手続きに時間がかかるという。
塚本民子さんは「農地転用問題でちょっと早くいいよっていうゴーサインが欲しいんです」と話した上で、「でも私はメラメラと燃えてるんですよね。がんばろうと思って。なんとか再建したらみんなに美味しいお饅頭を作って全国に届けたい」と再建への思いを語った。

塚本民子さん:
こしあん見るのも大嫌いという人もこれなら食べられるとそう言ってうちのおまんじゅう大好きな人何百人ていらっしゃるからおまんじゅうってね幸せな気になるからこの味を継承していきたいな(息子に)してもらいたいなと思ってるんです。

朝市で親しまれたえがらまんじゅうの復活へ。
塚本さんは前を見据えています。
(石川テレビ)