避難者にとって選択の時が迫っている。
加賀市のホテルが避難者を受け入れているが、2次避難所の退去期限の不安がある。そんな中、石川県は2次避難所となっている旅館などを回り、仮設住宅などの状況を避難者に説明した。

通常営業に切り替わる2次避難所も

加賀市山代温泉にあるホテル「みやびの宿 加賀百万石」。
珠洲市や輪島市から6日時点で347人の避難者を受け入れている。

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しかし、いま避難者はある不安を抱えている。それは2次避難所の退去期限だ。

馳知事:
今、2次避難所の旅館やホテルに入っていただいている方々も3月16日前には出ていかざるを得ないというか。次にスライドしていかなければいけないということは当然、想定されます。

3月16日に北陸新幹線は敦賀まで開業する。すでにホテルや旅館などでは、観光客の予約が入っているところもあるという。

2次避難をしている人:
うちのところの地元は特にまだ戻れるようなライフラインも全然やし、今まで通りの生活で仕事ができるかと言ったら全然目途がまだ全然。果たして2年後になるか5年後になるか…

2次避難をしている人:
(移転の準備は)個人でしなきゃいけないでしょ。高齢の方がどんな手続きすればいいかというのがわからんままきていて。いきなりあんたたち2週間後に出て行ってくれ、みなし仮設住宅、みなしって何やという感じで分からんままやるのもちょっとあれやなと思うんやけど…。

「みやびの宿 加賀百万石」の平均客単価は2万5,000円。
しかし今、国や市からこの旅館に支払われている金額は避難者1人当たり1万円。採算はギリギリ。

北陸新幹線の敦賀開業に大きな期待を寄せているが、この旅館では行き先が決まらない避難者は引き続き受け入れる方針だという。

みやびの宿 加賀百万石・吉田久彦社長:
不動産屋さんと被災者の方をつなぐことをさせていただいているみなし仮設住宅と仮設住宅に行くと家賃の補助は出ても食事代の補助は出ないんですよね。食事の心配というのは一番不安なところだと思いますので、そこも何かしらの手当・支援の策を行政には考えていただきたい。

みなし仮設住宅について県が説明

こうした中、県は7日2次避難所で今後の住まいについて説明会を開いた。

この中で県は、この旅館はおおむね3月上旬が利用期限だとした上で、仮設住宅の着工状況やアパートをみなし仮設住宅として利用する手続きを紹介した。

県復興生活再建支援チーム・谷野明勝広域避難者支援グループ長は「今アンケート調査をおおむね1週間程度考えていただく時間を用意して、その上でのご意向を踏まえまして、みなさまのご意向にできるだけ添えるようにやっていきたい」と話す。

これに対して避難者は「みなし仮設住宅を利用する場合の条件とかがはっきりしていなかったのが、今お聞きして自分が思っていたよりいい条件だったので良かったなと思います」「わかっていたことを聞いただけであって、解決策には何もならんなという感じ。みなし仮設とかそんなところに入る気もないし、水道(の復旧)次第だからねちょっと悩んでいるところです」と話していた。

(石川テレビ)

石川テレビ
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