「関連動画」性被害を防ぐ教育とは 子どもを守ろう2

ベビーシッターの大手マッチングサイト「キッズライン」の登録シッターが、預け先の5歳の女の子にわいせつな行為をし逮捕されるという事件が起きた。
母親が在宅ワーク中の隣室でも犯罪は行われていて、キッズラインを何度も使っていた私もかなりのショックを受けた。

生活していれば親の目が届かないときはたくさんある。
子供たちを性犯罪から守るにはどうしたらいいのだろう。

触らせてはいけない「大事な場所」がある

「小さいうちから、人に見せても触らせてもいけない、自分だけの大切な場所があるんだということを教えておくことがとても大切です。」

「明るい性教育『パンツの教室』」主宰・のじまなみさんはこう語る。
そして今日からでも家庭で性教育を始めてほしいと言います。

明るい性教育『パンツの教室』主宰・のじまなみさん
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「口、胸、性器、お尻。
この4カ所は見せても、触らせてもいけない自分の大事な部分だと、子供たちに伝えてあげてください。『水着ゾーン』と呼んでいます。

幼い子供って、自分でイメージできないと気を付けることが難しいんです。
だから、『水着で隠れるところと口』と教えてあげるといいです。
同時に、お友達のこういうところにも触っちゃダメだよと伝えます。」

「水着ゾーン」と「口」は大事な場所

のじまさんは、子供が大人の言葉を理解する3歳くらいになったら、きちんと性について理解させることが、自分の子供を性被害者、性加害者にさせないために絶対に必要なことだと言う。
自身も3人の娘の母親で、子供が成長する過程で様々な危険を感じたことから性教育の大切さを感じたと言う。とても明るい人だ。

性教育後進国ニッポン

「性教育、性というのは、どこか恥ずかしいもの、口にしてはいけないものという考えが日本ではまだまだ根強いです。
性教育のスタート時期は5歳からというのが世界のスタンダード。小学校に上がると性交渉や妊娠、避妊などについて教える国が多く、お隣の中国でも始めています。」

一方、日本の教育現場では性教育は4年生から始まるが、「受精に至る経過」や「妊娠の経過」など、性交渉にまつわるようなことには触れないことになっているというのだ(「学習指導要領」)。

明るい性教育『パンツの教室』主宰者・のじまなみさん

「性について『寝た子を起こすな』と言う人もいますが、現実には『もう寝た子は起きている』んですよ。『性産業先進国、性教育後進国』というのが日本につけられたあだ名です。」

年間数千人もの母親たちと接し彼女たちの「生の声」を聞いているのじまさんは、それまでのにこやかな表情を引き締めてこう語る。

フジテレビ 島田彩夏アナウンサー

「皆さんが想像している以上のことが子供たちには実際起こっています。SNSで裸の男性の写真が送られてくるなど、インターネットを使った性被害も増えています。

また先生と呼ばれる人などから性被害を受けたということも結構聞いています。
子供同士のトラブルというのも本当にたくさんあるんです。まさかうちの子が、と皆さんおっしゃいますが、我が子は被害者にも加害者にもなりえるということを知ってください。」

私自身5歳と4歳の男の子の母である。
「子供同士でも」という言葉に動揺し「え、そうなんですか?」と思わず身を乗り出してしまった。

親が知らない子供の「性的トラブル」

「たとえば」
と、のじまさんは続ける。

「子供たちで、保育園や幼稚園で、トイレの個室に友達同士で2人きりで入って、下着を脱がせて性器を触り合いっこしてしまった例があります。
男の子は興味本位でやってしまったのですが、やられた女の子は傷ついて保育園に行きたくない、となってしまいました。」

また、お友達の男の子から命じられて、お互いの性器を触り合っていたと、被害にあった男の子の母親から相談されたとも言う。
女の子、男の子関係なく性に関係するトラブルは起こっているというのだ。

性教育の不足とインターネットがもたらす弊害

なぜこのようなことが起きてしまっているのか。
のじまさんは、ひとつには幼い子供は自分の体に触られてはいけない場所があることを知らないためだと言う。

そして、インターネットとつながる機会が私たちの時代とは比べ物にならないくらい飛躍的に増えており、今は「音声検索機能」が子供たちの情報へのアプローチをいとも簡単にしてしまったことも大きいのではないかと指摘する。

のじまさんが主宰する教室では、動物や人間のカードを使い、性について分かりやすく教える

「文字の書けない小さな子供でも簡単に検索できてしまうんです。子供はまねっこの天才です。
大人のまねをして、見聞きした単語をそのまま入れてしまいます。『うんち、おちんちん』とかね。子供はみんなそういった単語が大好きです。」

初めはそういった単語を調べただけでも、インターネットではその単語に関連するアダルトサイトなどが次々に意図せずに表示されてしまう。

「(そんな画像を見てしまったら)子供は興味を持ち、実際に見たくて仕方なくなってしまうんです。意味なんか分かってないことが多いですね。悪いことと思っていないことが一番の盲点じゃないかなと思います。」

子供を、性の様々な情報から守るということがこんなにも難しくなっている現状を聞き、私の不安は募った。

そんな私の表情を見て、のじまさんはニコリと笑ってこう言ってくれた。

「だからこそ、知識をお守りとしてプレゼントしてあげてください。
子供自身に知識があれば予防線をはることができます。お友達が触ろうとしても、悪い大人が触ろうとしても『やめて』と言うことができます。」

子供を性犯罪や性のトラブルから守るには、まず子供自身が気付くことが重要 ー。

よし、今日からうちの子供たちにもしっかりと話そう、そう意気込んだ。
毎晩裸で家じゅうを走り回っている我が子らの姿が目に浮かぶ。

親に気をつけて欲しい「3つのNG行為」

のじまさんは、子供に性について教えるときに親が気をつけなくてはならないことがあるという。

(イメージ画像)

「子供になにか性的なドキッとするようなことを聞かれたり言われたりしたとき、NG行為が3つあります。1つ、逃げない、2つ、怒らない、3つ、ごまかさない、です。」

性の質問にタブーは作らないでほしいと、のじまさんは言う。
子供は大人の中に否定的なニュアンスや恥ずかしさみたいな態度を嗅ぎ取ると、次になにかあったときもう2度と大人に聞いてくることはなく、行きつく先はスマホになってしまう、と言う。

「これを『1度きりルール』と呼んでいます。
ピンチはチャンス、ドキリと思う質問こそ『良い質問だね』って答えてあげてください。
すべての子供たちが性に対して興味があるのは当たり前のことです。親がきちんと正しいことを教えてあげるねというのが、性教育ですね。」

なかには親の個人的な性体験などを聞く子もいるが、それは親のプライバシーなので別モノで、教えなくても大丈夫だという。
なるほど。勇気が出てきた。

「情報あふれる現代、正しい知識こそが我が子を性被害から守るために必要なもの」
確かにその通りだと思った。
知らないことを「避けなさい」と教えても、子供にとってはなんのことか分からないだろう。

どしりと構えて、腹を据えて・・・。
子供の興味に満ちた質問も喜びとし、どんな質問にも「いいね!」と言って答えてあげよう。
昭和的性教育世代の私には、少し難易度が高いかもしれないが、子供を守るためだもの。
ドギマギを悟られない表情の練習をしながら、私はのじまさんのオフィスを後にした。
子供の反応が楽しみだ。

【インタビュー&執筆:フジテレビアナウンサー 島田彩夏】

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