広島空港で2023年7月に再開したソウル便の運航。段階的に便数を増やし、2024年1月12日からは1日2往復に増便された。韓国人の県内宿泊者数もコロナ禍前を上回るなど、広島〜ソウル便好調の理由とは?

広島空港発着の国際線で初の“2往復”

1月12日午後3時45分頃、韓国インチョンからの“午後の便”が広島空港に着陸した。JEJU(チェジュ)と書かれた、韓国の格安航空会社「チェジュ航空」の機体だ。

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これまで広島~ソウル線は「午前」の発着便しかなかったが、12日から「午後」の便が新たに1往復増えることになった。

広島国際空港・坂本織也 副社長:
帰りは福岡にまわっている人が多いと聞いていた。今回、ダブルデイリーになることで福岡まわりで新幹線ではなくてダイレクトに広島へお帰りいただけるという選択肢が増え、非常に喜んでいます

広島空港の開港から30年、国際線で1つの路線が毎日2往復するようになるのは今回が初めて。

韓国から帰国した利用客:
朝ゆっくり準備できるのでありがたかったです。3泊4日にするか2泊3日にするか迷って、2泊3日でもいいかなと思うようになりました

外国人宿泊者数がコロナ禍前を上回る

チェジュ航空は2023年7月に就航し、当初は週3往復のみの運航だったが、10月までの搭乗率は83.1%と好調で、この半年間で段階的に便数が増えた。

好調の要因はどこにあるのだろうか。大手旅行会社で聞いてみた。

エイチ・アイ・エス イオンモール広島府中営業所・糸山尚希 所長:
今は円安の影響がありますので、やはりインバウンド。ソウルから来る人が多いという印象はあります。広島空港に入って山陰エリアや四国・関西へ抜けて日本を楽しむ、その地理的な中心になっているので選ばれていると思います

海外需要を見越し、1月に中四国では5年ぶりとなる新店舗をオープンさせた「エイチ・アイ・エス」。現状はソウルから広島を訪れる人の方が多いという。

広島県観光連盟によると、県内への外国人宿泊者数は2023年夏ごろから回復傾向。8月にコロナ禍前を上回り、9月は約12万1,000人と2019年同月比で3万人近く増え、チェジュ航空の就航と比例するように、韓国人の県内宿泊者数もコロナ禍前の水準を超えている。

広島発の韓国ツアーも3日間で完売

一方、増便を見込んで売り出した広島空港発のツアー商品も3日間で売り切れるなど好調だ。

エイチ・アイ・エス イオンモール広島府中営業所・糸山尚希 所長:
今までの午前便はソウル市内を朝4時半に出ないといけなかったんですけど、午後便が増便されたことによって11時頃にソウル市内を出るというかたちになります。お客様の滞在時間が延びるので今後も需要としては大きくなっていくかと

完売になった広島空港発のツアー商品
完売になった広島空港発のツアー商品

広島空港の国際線が復活して丸1年。

広島国際空港・坂本織也 副社長:
コロナ禍前に比べても遜色(そんしょく)ないくらいまで戻ってきて、今後、メインランドチャイナ(中国本土)がだんだん開いていくだろうと思っています。そうなると我々が求めているような就航便がさらに増えてくるかなと

まだすべての路線の搭乗率が回復したわけではなく、休止したままの路線もあるが、少しずつ明るい兆しが見えつつある。
目的地がソウル以外の人もインチョン空港で乗り換えの選択肢が広がった。これまで福岡空港や関西国際空港を利用していた日本人と韓国人のどちらの受け皿にもなると期待される。

(テレビ新広島)

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