能登半島地震発生から11日目。石川・輪島市の病院駐車場では、40台以上の車が「車中泊」をしていた。車中泊をする人たちを取材すると、避難所にいる高齢者や妊婦への気遣いや、ペットとの生活で周囲に迷惑をかけらないといった、他者への配慮がみられた。

「家族5人で車2台で寝ている」

11日朝、氷点下1.7℃と今季最低を記録し、厳しい冷え込みとなった輪島市。

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同日の昼頃には、市内にある市立輪島病院の駐車場には「車中泊」をしている車が40台以上並んでいた。

車中泊している人の車の中には毛布が多くあった
車中泊している人の車の中には毛布が多くあった

地震後、ずっと車中泊をしているという女性は「(地震後)ずっと車中泊です。家族5人で車2台で寝ているような感じです」と話してくれた。

車の中には毛布やトイレットペーパーがあり、そして、フロントガラスにはひびが入っていた。
「家に塀がありまして、塀の柱が落ちてきたような感じです」
「まだこのくらいの傷で、雨風しのげるし、よかったと思っています」

病院の駐車場には、傷ついた車が数多くあった。
車中泊する理由について女性は、「避難所はどこもいっぱいで。お年寄りの方、おなかの大きい妊婦さんとかで、私たちは車で寝ようと…」と話す。

「節約のためにエンジンを切って。(夜は)ジャンパーを着て、毛布一枚で震えながらいました。すごく寒いです」

厳しい寒さが続く中、エンジンをつけずに夜を過ごし、天気のいい日はドアなどに毛布を干しているという。

こうした車中泊生活にについて、いとう王子内科外科クリニックの伊藤博道院長はリスクがあると指摘する。
「低体温症のリスクは考えないといけません。長い時間座席に座っていることによるエコノミークラス症候群。小さな動きでもかまいませんので、こまめに指の先から膝や股関節を動かす体操を行っていく。それから水分をこまめにとる」

また、エンジンをかけっぱなしにしておくと、雪で車のマフラーがふさがれて一酸化炭素中毒になる恐れもある。

犬と車中泊「吠えるからちょっとね…」

そして、中にはペットとともに車中泊をする被災者の姿もあった。

犬と車中泊をする人は「(避難所に犬は)入れないことはないけど、犬も人が多いところだとストレスとかあるので家族で一緒にいます」「ほかの人にも…(避難所で)吠えるからちょっとね…」と話す。

後部座席に布団を敷いて、愛犬とともに震災発生の翌日から車中泊生活をしているという。
「家もだめになって。仮設住宅ができるまで車生活じゃないかと思います」
(「イット!」 1月11日放送より)

<フジネットワーク サザエさん募金>能登半島地震救援

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