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12月17日、立憲民主党の枝野代表と国民民主党の玉木代表が会談し、合流協議入りで合意。19日には両党の幹事長会談が行われた。一方15日には日本共産党の志位委員長と立憲民主党の枝野代表が会食し話し合いの場を持った。年の瀬も迫る中、野党の動きが慌ただしくなっている。今回の放送では日本共産党の志位和夫委員長を迎え、野党連合政権構想に基づいた自民党に対する戦略や中国との関係などについてじっくり話を聞いた。

野党連合政権が成立した時、志位委員長は総理を目指すのか

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反町理キャスター:
現在の野党による連立政権ができた場合、共産党の参加は? 閣僚は出すのでしょうか。それとも閣外協力になりますか?

日本共産党 志位和夫委員長:
今から言うつもりはありません。

反町理キャスター:
志位さん、総理狙っています?

日本共産党 志位和夫委員長:
狙っていません。それは野党第一党の役割だから。

反町理キャスター:
しかし、(1993年の政権交代時に野党第一党ではなかった)細川護熙さんだって総理になっていますよ。「日本をこうするべき」と思うのなら、どうなんですか。

日本共産党 志位和夫委員長:
皆さんに言われれば、皆が(志位さん頼みますと)まとまったときにはやりますよ、いくらだって。

政権担当を意識する上で、「天皇制」「自衛隊」「消費税」は?

反町理キャスター:
その場合の基本的な政策について。まず天皇制についてはどうですか。

日本共産党 志位和夫委員長:
今の制度に手を付けて変えるということは考えていません。我々はもともと、天皇が「国政に関する権能を有しない」ということも含め憲法の全条項を守るということを大切にしています。

反町理キャスター:
自衛隊はどうですか?

日本共産党 志位和夫委員長:
党の立場としては、自衛隊は憲法と両立しないということ。でも、この立場を政権の中に持ち込む気はありません。

反町理キャスター:
えっ、どういうことですか?

日本共産党 志位和夫委員長:
持ち込んでは一致しませんから。私たちが作る野党連合政権の態度として、政権の中で自衛隊違憲論を取れと主張するつもりはない。ただ、2015年の安保法制を白紙にし、集団的自衛権は行使できないようにします。そこは一致している。

反町理キャスター:
消費税については。現状、野党の姿勢は皆バラバラに見えます。

日本共産党 志位和夫委員長:
消費税が10%になり、大不景気が起こっています。まず5%に下げ、将来の廃止に向けて話し合っていきたい。足並み揃えるために努力を。

反町理キャスター:
その5%分にあたる11兆円という財源はどこから持ってくるのでしょう?

日本共産党 志位和夫委員長:
富裕層を対象に最高税率を引き上げる。安倍政権が減らした法人税も戻します。また軍事費もイージス・アショアや辺野古といった部分にメスを入れます。国債に頼って減税というのは理解されない。

日本共産党が16年ぶりに綱領改定。中国との関係は?

長野美郷キャスター:
日本共産党の中国との向き合い方について。志位委員長は先月の党中央委員会の総会で、以下のように発言されています。「中国公船による尖閣諸島の領海侵入などが激増、常態化している。両国関係の正常化を喧伝しながら領海侵犯を常態化させるというのは極めて不誠実な対応だ」。また香港情勢などについても、中国批判の発言が目立っています。

日本共産党 志位和夫委員長:
現在の中国には大きく二つの問題がある。ひとつは新しい覇権主義。これが表れているのは核問題。かつては廃絶を主張し核兵器禁止条約を唱えていたが、この10年はアメリカとともに廃絶に反対している。次に東シナ海・南シナ海における覇権主義的振る舞い。海保による、領海侵入を含む接続水域への入域の最新データでは2019年に入ってのべ1053件と過去最多。この間に日中首脳が相互往来して日中関係が戻ったと言っている一方で、こんなことをしているのは不誠実です。
もうひとつは香港・ウイグルなどの深刻化する人権問題。人権問題は国内問題ではなく、国際問題です。11月14日に日本共産党は香港での弾圧を中止すべきだと声明を出し、中国政府にも伝達しました。

反町理キャスター:
中国に対して人権問題についての圧力をかけることはできないか。

日本共産党 志位和夫委員長:
アメリカのように経済問題と絡めて圧力をかけるのでなく、国際世論によって人権蹂躙が間違っていると突きつけていく。国として措置を取り始めるとエスカレートしていくから良くない。

反町理キャスター:
尖閣の問題についても「来るな」って言うだけですか?

日本共産党 志位和夫委員長:
今の日本政府はそれも言っていないじゃないですか。

反町理キャスター:
言っているでしょう。

日本共産党 志位和夫委員長:
言っていないですよ。習近平氏の国賓訪問を控えて言わずにいる。日中両国首相が会った際の記録にも、尖閣の領海侵犯に抗議してやめなさいと言った記録がない。香港の弾圧をやめろとも言わない。尖閣は日本の領土問題。香港はすぐ近くの国の人権問題。これぐらい言わなくてどうするのか。

反町理キャスター:
習近平の国賓来日には、日本共産党としては反対ですか? 国賓となると天皇陛下がお迎えして歓迎することになるが、それは皇室の政治利用にあたるか。

日本共産党 志位和夫委員長:
コメントが難しい問題です。ただ1989年の天安門事件を国際社会が糾弾する中、1992年の天皇訪中でそれが緩和されるということがあった。これを繰り返してはいけない。今回については、国賓で招くことありきで、日本政府が中国に言うべきことを言わないのが大問題だ、改めなさいとまで言っておきます。

(BSフジLIVE「プライムニュース」12月19日放送分より)