10月28日、静岡・浜松市で起きたストーカーによる殺人未遂事件。
「めざまし8」は、犯行現場近くの防犯カメラ映像を独自に入手。さらに、逮捕現場のマンション住人の取材から緊迫した警察とのやりとりが見えてきました。
独自入手の防犯カメラが捉えた事件直後に走る人物
「めざまし8」が独自に入手した防犯カメラに映っていたのは、人けもなく暗い夜道を脇目も振らず、一目散に走っていく人物。
この約2分半後には、ランプをともしたパトカーや救急車とみられる車両が到着。
さらに、警察が走り去った人物の通った道をライトで照らしながら、付近を捜索する様子も映っていました。
男女2人の殺人未遂容疑で逮捕されたのは、自称派遣社員の大田原広和容疑者41歳。
大田原容疑者は浜松市のマンションの一室に忍び込み、この部屋に住む60代の男性と同居する30代の女性を刃物で刺し殺害しようとした疑いが持たれています。
警察によると、大田原容疑者は、マンションの4階の部屋の中で待ち伏せをし、2人が帰宅後に犯行に及んだことが新たに分かりました。
容疑者は犯行後現場から逃走したとみられ、事件発生から約13時間後、16kmほど離れた静岡・袋井市のマンションで発見、逮捕されました。
“ストーカー”再三警告…自ら警察に相談も
30代の被害女性とかつて交際していた大田原容疑者。
別れた後の今年1月、被害女性は大田原容疑者との金銭トラブルを警察に相談していました。
さらに3月、容疑者から女性に対し、「仕返しとして死んでやる」と自殺をほのめかすメールが届いたと通報。
警察が容疑者の元へ行き、職務質問した際に刃物を所持していたため銃刀法違反で逮捕されます。
また、警察はストーカー規制法に基づく「禁止命令」を出しています。
翌4月には、コンビニでこの女性を待ち伏せし声をかけたとして、ストーカー規制法違反の疑いで逮捕されました。
また7月には、容疑者自ら警察に「女性に連絡を取りたくなる」「ダメとはわかっている」などと相談。
しかし、その後も大田原容疑者は、女性の友人に複数回電話をかけるなど、つきまとい行為を続けたといいます。
逮捕現場のマンション住人が聞いた屋上での“緊迫やりとり”
めざまし8は、大田原容疑者が確保された直後に帰宅したという住人に、警察の鑑識作業に立ち会った際の話を聞きました。
逮捕現場のマンション住人：
（マンションに）戻ってきたら入れない状態だったんです。（警察から）「今、ちょっと入らないでください」っていう状態で。
逮捕現場のマンション住人：
ここ（通路の柵）に足跡と指紋があって、この上をのぼっていったのではないかというふうに説明を受けました。
（雨どいに）血痕ちょっと残ってるんですけど。2つちょんちょんってなっているんですけど。
このマンションに逃げ込み、雨どいをつたって屋上まで登ったとみられる容疑者。
さらに「めざまし8」は、大田原容疑者が確保された時、近くに居合わせた住人を取材。確保の瞬間に行われた容疑者と警察との“緊迫のやりとり”が見えてきました。
容疑者確保の際に近くに居合わせたマンションの住人：
（29日の午前）9時50分過ぎですかね。警察の方が警察手帳見せて。ホールに男性の方がいっぱいいまして。
（警察から）「不審者が屋上に上がってますので、全部部屋をロックして、出ないようにしてください」って。
「もしかしたらまたピンポン鳴らして、避難してもらう場合があります」って言われて。ちょっと怖くなっちゃって。
恐怖を感じたというマンションの住人は、その後、警察の指示通り自宅の玄関や窓すべてにカギをかけました。
その時、屋上にいる容疑者と警察による“緊迫のやりとり”が聞こえてきたといいます。
警察官「顔を見て話をしたいから、下りてくれないか」
1つ下の階から声をかけ、屋上から下りてくるよう説得する警察。
それに対し大田原容疑者は…
大田原容疑者「このままここから飛び降りたい」
マンションの屋上から飛び降りようとしていたといいます。
最終的に、事件発生から約13時間がたった29日正午ごろ、警察が男を確保、逮捕しました。
警察も、被害女性に緊急通報装置を貸し出し、毎月安否確認をするなど、「危険度が高いと判断し、最大の対応をしていた」という中で起きてしまった、殺人未遂事件。
事件を事前に防ぐことはできなかったのでしょうか。
警察の対応について、元警視庁刑事の吉川祐二氏は…
元警視庁刑事 吉川祐二氏：
警察も人員的に厳しい現状があるが、いつ事態が急変するかわからない。月ごとではなく、もう少し短いスパンで連絡を取るべきだった。
（めざまし8 10月31日放送）
