地政学リスクに加えて円安の影響で金の価格高騰が止まらない。1グラムあたりの店頭小売価格は8月29日に初めて1万円に到達。これによりギネスにも認定されている重さ250キロの金塊の時価は25億円を超えた。

“有事の金” 20年あまりで価格は約10倍

近年 価格が急騰している“金”
近年 価格が急騰している“金”
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「有事の金」ともいわれる“金”。新型コロナウイルスやロシアによるウクライナ侵攻などの影響で、2020年以降は価格が急騰している。地金大手・田中貴金属工業によれば1グラム当たりの店頭小売価格(税抜)は2000年の平均値が1014円だったが、最近では円安が価格高騰に拍車をかけ8月29日には店頭小売価格(税込)が1万1円と史上初めて1万円を突破した。

伊豆のパワースポット“土肥金山”

こうした中、静岡県の“あるテーマパーク”が脚光を浴びている。

“金”のテーマパーク・土肥金山
“金”のテーマパーク・土肥金山

伊豆半島の西側、駿河湾に面する伊豆市土肥地区。ここは県内屈指の温泉地として名高いが、古くは金鉱で栄えた“金の町”としても知られている。伊豆市の指定史跡でもある土肥金山は江戸時代に第1期黄金時代を迎え、明治から昭和にかけての第2期黄金時代では佐渡金山(新潟県)に次ぐ全国第2位の産出量を誇った伊豆最大の金山だ。

作業の安全と黄金の幸を祈った山神社
作業の安全と黄金の幸を祈った山神社

1965年に閉山となったが、廃坑となった現在は跡地を利用した観光施設が運営されていて、総延長100キロにも及ぶ坑道の一部分を見学することが出来る。坑内で目を引くのは“金色”の鳥居。鉱員たちが、かつて毎日、作業の安全と黄金の幸を祈ったと言われている山神社(さんじんじゃ)だ。また、金鉱の岩盤から湧き出た黄金の泉は「手や指、そしてお金を浸すと金運をつかむ」と言い伝えられている。

金鉱の岩盤から湧き出た黄金の泉
金鉱の岩盤から湧き出た黄金の泉

ギネス認定!巨大金塊の時価は…

ただ、最大の見どころは別の場所にある。

ギネス認定の“世界一大きな金塊”
ギネス認定の“世界一大きな金塊”

それが富と権力の象徴とされてきた“金”に関する様々なものを展示した「黄金館」に飾られたギネスブックにも認定されている“世界一大きな金塊”だ。重さは約250キロで、誰でも手に触れることができる。金の1グラム当たりの価格が1万円を超えたことで時価は25億円あまり。展示を始めた2005年当時の価格が約4億円だったので資産価値は実に6倍以上である。

巨大金塊に触れる子供
巨大金塊に触れる子供

見学に訪れた男性は「25億…あったら会社辞められるのにな」と垂涎のまなざしを向け、別の女性は「ちょっとでも削って持って帰りたかったけれど難しかった」と笑う。

砂金採りで一攫千金!?

来場者に人気の砂金採り
来場者に人気の砂金採り

また、来場者の人気を集めているのが砂金採りだ。見つけた砂金はお土産として持ち帰ることが出来るため、老若男女問わず、みな真剣な表情。話を聞いてみると「10個くらい持って帰りたい」と意欲を燃やす女性がいたかと思えば「これを機に一攫千金を狙おうかなと思う」とさらに大きな野望を掲げる男性もいた。

みな真剣な表情
みな真剣な表情

土肥金山の浅賀涼太さんによれば、29日に金の価格が史上初めて1万円の大台に乗ったこともあってか30日の来場者は通常の倍になったといい「金が高騰していて、とても良い反響になっている。巨大金塊を触って、ぜひご利益を感じてほしい」と話し「週末にも期待をしたい」と笑顔を見せた。

(テレビ静岡)

テレビ静岡
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