夏休みが終わり、2学期を迎えた全国の学校で新型コロナ感染症などによる学級閉鎖が相次いでいます。
新型コロナ感染増加…相次ぐ学級閉鎖
大阪・吹田市の小学校から保護者に届いた学級閉鎖のお知らせ:
「本校において、感染症による欠席が多数確認されましたので、9月1日までの4日間、学級閉鎖とし感染拡大防止対策を徹底いたします」
「当該学級のお子様については、4日間は不要不急の外出を控え、自宅待機をお願いいたします」
8月29日、大阪・吹田市の小学校から保護者に届いた「お知らせ」。
25日から2学期が始まりましたが、1年生の1クラスで感染症による児童の欠席が相次ぎ、4日間の学級閉鎖が行われているといいます。
岡山市でも29日、2つの中学校で合わせて9人が新型コロナウイルスに感染したことがわかり、該当のクラスを学級閉鎖しています。
「日本学校保健会」によると学級閉鎖しているのは22府県合計156クラス。
※登録されている各学校から入力された感染症情報を基に作成したデータ(8月30日午後5時時点)
一番多いのは県の医師会が「第9波」と捉え、感染予防を呼びかけている秋田県で36クラス、次いで長野県で33クラスとなっています。
今、感染が拡大しているという新型コロナウイルス。
8月30日、東京・北区にあるいとう王子神谷内科外科クリニックに協力をいただき、発熱外来の様子を取材しました。
院長:
新型コロナの抗原検査をしたところ陽性が確認されたのですね。
鼻水と…せきが強い症状ですね?
患者(40代):
そうですね…。ティッシュいいですか?
患者(30代):
喉が変だなと思って、体もだるいなと…。寝付きも悪くて眠れなかったので…。
院長:
なかなか予約が取れなかった?
患者:
そうなんです。きのうキャンセル待ちだったのですが無理で…。きょうお電話いただいて、すごく助かるなと…。
幅広い世代が診察に訪れ、発熱外来にはキャンセル待ちが発生していました。
なぜ、今の時期、感染症が拡大しつつあるのでしょうか。
伊藤博通院長は…
いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道院長:
お盆の後…お盆の反動を見ているかのような、陽性率の上昇。暑くなったり、お祭りがあったり、お盆がある機会に(感染者が)増えてしまうのは、人の動きとか行動とか、そういうことで増えている印象があるんです。
なかなか重い症状の患者さんをできれば全員診て、いい方向に治療を方向付けて、治療をスタートさせてあげたいんですけども、それが追いつかないという状況です。
現在全国にどれくらいの感染者がいるのか、厚生労働省の新型コロナ定点当たり報告数をみていくと、5類に引き下げられた5月8日から感染数は増加傾向にあります。
直近1週間(8月14日~20日)の1施設での患者数平均は17.84人と増加しています。
新規入院患者数は1万3135人、重症者数は322人となっています。
なぜ感染者が増加しているのでしょうか。
東邦大学・感染制御学の小林寅喆教授によると、夏休み・お盆休みで人の動きが活発になったこと、夏祭りなど混雑による密集、猛暑による疲労蓄積から免疫低下などがあるといいます。
さらに、新たな変異株で感染者が増加しているということです。
新たな変異株 通称「エリス」特徴は?
その変異株が通称「エリス」(EG.5.1)。SNSで名付けられ広まったと言われるもので、ギリシャ神話に由来する「不和と争いの女神」です。
WHOによるとイギリス・中国など世界51カ国で感染報告されています。
そして国立感染症研究所によると、日本でも置き換わりつつあるかもしれないという状況です。
数字を見ると、2023年前半に流行したのがXBB.1.16で23.47%。通称「エリス」は21.94%となっています。
新たな変異株「エリス」の特徴は、小林教授によると重症化例は少ないものの、喉の痛み、発熱、せきなどの症状があるといいます。
感染力は今までと同じかやや強く、感染者数が少なかった地域では免疫が持つ人が少なくかかりやすい人が多いため、増加傾向が強いということです。
感染を防ぐにはこれまで通り、「手洗い・換気・マスク着用など予防策を再確認すること」だと小林教授は指摘しています。
めざまし8のコメンテーター陣はどう受け止めているのでしょうか。
――新たな変異株は重症化の可能性は低いということですが…
フジテレビ解説委員 風間晋氏:
感染症の基本的なものはそういうこと(弱毒化)ですよね。変異が進むと弱毒化するという一般的な傾向があるということですが。
僕なんかほぼ高齢者カテゴリーなので、猛暑のために免疫力が低下していますよというふうに言われると、また機会があるのであればワクチン打たなきゃいけないということかなと思ったりしますね。
――感染増加により全国の学校で学級閉鎖も起きています
大空幸星氏:
学級閉鎖は小学生とかになると子供たちもしんどいですし、何より保護者の方が働かなければいけない、なかなか生活も厳しい方たくさんいらっしゃいますから、そういう人たちにも影響がある。これに対して補償はどうするのか、これはインフルエンザの学級閉鎖の時からたいして議論されていなかったわけです。本来はもっと前からやらなきゃいけなかった議論を今やる必要が出てきているのはあると思います。
(めざまし8 8月31日放送より)