恥ずかしいお腹の音に救世主が登場!?
「ぐぅ~」「ぎゅるるる」...皆さんは、空腹時に起きるお腹の「ぐるぐる音」に襲われたことはあるだろうか。
生理現象なので仕方ないのだが、なぜか授業中や会議中などの静かな時に起きることが多く、どことなく恥ずかしい気持ちになってしまうものだ。
そんな悩みを解決しようと、印刷企業の「アインズ」がユニークなアイテムを開発した。「紙姫(kamihime)」というこのメモ帳、なんと、お腹の音対策に特化した製品だというのだ。

紙姫が一般的なメモ帳と異なる点は、大きく二つある。
一つは開封時に大きな音が出ること。紙姫は箱型のふたを開いて使うのだが、ここに細工がしてあり、開くとビニールテープを剥がしたかのような「ビリビリーッ」という音が鳴るようになっている。
アインズによると、この開封音は約97デシベルという。電車が通過したときのガード下が約100デシベルとも言われているので、まさしく「騒音レベル」の音が鳴り響くことになる。お腹が鳴りそうになっても、ふたを開けば素知らぬ顔でごまかすことができるのだ。

もう一つは、実際に食べられること。紙姫のメモ用紙はでんぷんなどで作られた「ウエハーペーパー」という食用可能な素材のため、そのまま食べることができる。
さらに、付属しているペンのインクも食用で、こちらはコーヒー味。文字や絵などをサラサラと描き、何気ない表情で口に運べば、自然を装いつつお腹を満たすこともできるのだ。

知れば知るほどユニークなアイテムだが、なぜ、メモ帳でこんな対策しようと考えたのだろう。紙姫という商品名も気になるところだ。最初に見た時には、トイレの音をかき消すシステムの「音姫」を思い浮かべたが、それとは関係あるのだろうか。
いろいろと気になるところを、アインズの開発チームに聞いてみた。
Twitterでつぶやかれた願いがきっかけ
――紙姫を開発することになった経緯は?
「大喜利印刷」というプロジェクトがきっかけです。これは、Twitterで誰がが願ったつぶやき(○○がほしい、○○があったらいいな...など)を全国の印刷会社で実現しようという取り組みなのですが、そこで目立ったのが「静かな場所でのお腹の鳴る音」に関する悩みでした。開発チームにも同じ悩みを抱えていた人がいたので、その解決策として開発しました。
――なぜ、メモ帳とした?開封時の音などのアイデアはどこからきている?
授業中や会議中などの静かな場所で使ってもらうことを想定したとき、メモ帳であればいけるのではないかと思いました。開封音を大きくしたのは、お腹の音をかき消す動作として、違和感を感じなかったのが開封の動きだったためです。紙自体をウエハーペーパーとしたのも、お腹を満たすことでお腹が鳴る音を阻止できるのではないかと考えたためです。

本当に紙を食べているかのような食感
――開発過程でこだわった点、苦労した点はある?
こだわったのも苦労したのも、味付けの部分ですね。ウエハーペーパーは味が無く、正直あまり美味しさを感じられませんでした。どうにかできないか、という話から始まり、和紙職人に味の付いた紙の製作をお願いしたり、ライスペーパーにヨーグルトを塗ってみたりと、さまざまな味付けを試みました。
ただ、結果的にはどの方法も成功とは言えなかったため、最終的には付属品のペン側に味を付けることになりました。
――味はないとのことだが、メモ用紙はどんな食感?
上記の通り、味はありません。本当に紙を食べているかのような食感です。

――メモ帳としての使い心地はどう?
食用ペンであれば書き心地も特に問題はございません。ただし、紙には賞味期限があります。
――紙姫のネーミングはどこから来ている?音姫と関係があるの?
はい。音姫と同じく聞かれたくない音を「紙」でかき消してくれるので、「紙姫」と名付けました。
お勧めの食べ方を聞いてみた
――お勧めのシチェーション、食べ方などを教えて。
授業中や会議中での使用を勧めています。まずはお腹の音の長さに合わせて、開封時のスピードを調節してください。長い音の場合はゆっくりと、短い音の場合は素早く開封することでどんなお腹の音にも対応できます。
豪快に食べると見つかってしまう可能性があるので、少しずつちぎりながら食べると良いでしょう。見つかることなく、お腹を満たせるはずです。

――発売予定はある?
紙姫自体、開発途中でもありますが、今後は商品として発売することも考えております。ただ、味付けの部分にはまだ課題があるため、価格や発売時期は未定です。
――このほか、面白い商品などはある?
肌荒れに悩む人のための商品として、紙の加湿器「FLOWERINK」(フラワリンク)も開発しています。こちらは製品がバラの形状にになっていて、水に浸すことで徐々に花びらが色づく仕様となっています。
――今後の目標を聞かせて。
紙姫のようなクスッと笑えるアイテムを展開して、皆さまの日常が少しでも明るくなるような
商品開発に励んで参ります。

アインズによると、この紙姫は入社2年目未満の社員で開発された製品だという。柔軟な発想力と企画力を生かして、これからもユニークなアイテムを生み出してくれることを期待したい。
大喜利印刷を運営する「CMYK」のYoutubeアカウントでは、プロジェクトで開発された製品紹介の動画も公開されている。紙姫の開封時の音も聞けるので、そちらも楽しめるはずだ。
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