母親の自殺を手助けした疑いで、市川猿之助容疑者(47)が逮捕された。歌舞伎のスター俳優の突然の逮捕に衝撃が広がっている。逮捕後、事件当時の状況が次々に明らかになってきた。

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市川猿之助容疑者:
週刊誌報道をきっかけとして家族会議が行われ、みんなでさよならすることにした。

逮捕前、一家心中を図った動機をこう説明していたという、猿之助容疑者。

27日午前10時24分。猿之助容疑者の身柄を乗せた車は、報道陣のカメラのフラッシュを浴びながら東京・目黒警察署に到着した。車内はカーテンが閉まり、中の様子をうかがうことはできなかった。

事件は、発生から1カ月あまりが経つ中で急展開。警視庁は、歌舞伎俳優の市川猿之助、本名・喜熨斗孝彦容疑者を、母親の延子さん(75)の自殺を手助けした、自殺ほう助の疑いで逮捕した。

歌舞伎ファンにも衝撃走る

猿之助容疑者が出演予定だった「六月大歌舞伎」。千秋楽を迎えたために27日の歌舞伎座は休館だが、土産店などがあるため、歌舞伎ファンが多く集まっていた。

歌舞伎界の中心的存在の1人が逮捕され、ファンにも衝撃が走った。

――手を合わせていたのは、猿之助容疑者のため?
ファン歴70年:
そう。猿之助さんのことも(大ごとに)ならないようにお願いしています。

ファン歴20年:
最初(ニュースの)一報が携帯に入ったときにビックリしちゃって。ファンも、やっぱり復帰して、歌舞伎座で舞台を見たい気持ちは大勢の方が持っていると思うんですよね。

猿之助容疑者の舞台復帰を望む思いを涙ながらに語った、ファン歴20年の女性。しかし…。

ファン歴20年:
親を道連れにしたってことが一番の罪かな。つらいかな。

逮捕を受け、歌舞伎界への復帰は難しいのではとの声も上がった。

歌舞伎ファン:
舞台には演技指導はできても、やっぱり許される世の中ではないと思う。

歌舞伎ファン:
ご本人の気持ちとしては、舞台に上がれるかっていうのはちょっと難しいかなと思います。

「両親の後を追って自殺するつもりでした」

5月18日。東京・目黒区の自宅で猿之助容疑者と両親が倒れているのが見つかり、父親の市川段四郎、本名・喜熨斗弘之さん(76)と母親の延子さんが死亡した。

逮捕後の取り調べに対して、猿之助容疑者は「両親が自殺する手助けをしたことに間違いありません。私も両親の後を追って自殺するつもりでした」と供述し、容疑を認めた。

また、一家心中について話し合った家族会議については「なるべく苦しまずに死ぬ方法として、睡眠薬を飲んで眠った後にビニール袋を使うことにした」と説明した。

猿之助容疑者が“両親にビニール袋をかぶせた”と話していることも明らかになった。使ったビニール袋や薬の包みについては“後始末を自分で行うため捨てた”と説明しているという。

逮捕容疑となったのは、自殺を手助けした「自殺ほう助」。フジテレビの上法解説委員は、猿之助容疑者が母親の“自殺を助ける”準備を行ったかの見極めがポイントだったと説明する。

上法玄解説委員:
今回の捜査では、母親に自殺する意思が本当にあったのかが一番重要なポイントでした。(その上で)“自殺を助ける”という罪なので、(準備として)実際に薬物を渡すとか、あるいは自殺の方法を教えたりしたかどうか、裏付ける必要がありました。

母親の遺体からは2種類の睡眠導入剤が検出されているが、いずれも、猿之助容疑者が複数回処方されていたものだという。警視庁は今後、父親の段四郎さんの死亡経緯についても追及する方針だ。

市川團十郎さんはブログで心境明かす

歌舞伎俳優の市川團十郎さん(45)は、猿之助容疑者の逮捕を受け心境を明かした。

(市川團十郎さんの公式ブログより)

あの日からずっとこのことが頭から離れませんでした。
あまりにも悲しみが深く どのように言葉にしてよいか、わかりません

未来の歌舞伎を作っていく仲間としてともに生きてきましたので ただただ、全てが残念です
私は、今自分にできることを見つめ直し 一歩一歩 勤めて参ります。

(「イット!」6月27日放送より)