大学の入学式を終えた数日後、初の“日本一”に――。
競泳界に現れたフレッシュな新星、三井愛梨(18)を独自取材。パリ期待のニューヒロインに迫った。

日本選手権で初優勝した18歳

2023年4月に行われた日本選手権。

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三井は「女子200mバタフライ」で自己ベストを1秒以上更新し、大会初優勝。7月に行われる世界選手権の代表選手として、初選出された。

実は三井、大会開幕の前日に、法政大学に入学したばかりの大学1年生。

三井の同級生:
(三井選手は)真面目です。勉強も水泳も、何でも真剣にやっています。

世界選手権へ向けて…戦略は?

そんな現役女子大生の三井が、今度は世界の大舞台へ。

三井愛梨:
自分の強みは(ターン時の)キックだと思うので、それを最大限生かせるように、「浮き上がり」で潜り続ける練習を意識しています。

「浮き上がり」とは、スタートやターンのあと、水面に上がるまでの動作のこと。

水泳では、スタートで飛び込んだり、ターンで壁を蹴ったりした直後が、もっともスピードが出て加速している状態。しかし、水面に浮き上がって泳ぎ始める際には、水の抵抗を受けて減速してしまうのだ。

できるだけスピードを保つためには、なるべく潜り続けたほうが有利に。競技のルール上、三井が得意とするバタフライでは最長15mまで潜水可能だ。

そこで番組では、三井の潜水を撮るべく“水中カメラ”を発動!

カメラが撮影したターン直後の水中での様子。周りの選手と比べても、三井はより長く潜水を続け、「浮き上がり」のタイミングを伸ばしている。

メダル獲得のカギは“浮き上がり”

世界の大舞台を控え、藤森善弘コーチ(59)はこう話す。

藤森善弘コーチ:
他の選手は(ターン後の)7~8mあたりで浮き上がって泳ぎはじめるのですが、三井選手はさらに2~3m潜ります。

現在の三井の自己ベストは2分6秒77。一方、2022年の世界選手権のタイムを見てみると、3位の選手のタイムは2分6秒32。“表彰台”までの差はおよそ0.5秒だ。

藤森善弘コーチ:
世界トップの選手たちは、前半15mを6秒台で泳ぎますが、三井選手はまだ7秒かかってしまう。そこで「浮き上がり」を改善して、スタートや3回のターンでより長く潜水する。そうすることで(減速を防いで)0.3秒ずつタイムを縮めることができれば、2分5秒台が見えてくる。じゅうぶんメダル圏内に入ってきます。

6月10日、三井は高地合宿のために渡米。アリゾナ州で、“標高2100メートル”での練習に励んでいる。

三井愛梨:
今回の世界選手権で経験を積んで、来年のパリオリンピックで戦えるようにしたいです!

競泳の世界選手権は、7月から福岡で開催。ニューヒロイン・三井の活躍に期待だ。

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