現実と仮想の世界を融合して疑似体験を提供する最新技術「XR」。
「マンガ・アニメの街」としての発信を目指す新潟市は、このXR技術を活用した町おこしを始めた。新潟市の担当者に事業の狙いを聞いた。
XRでマンガ・アニメの街をPR!
新潟市の市街地で、タブレット端末を通して見えていたのは、大きなキャラクターの姿。

山中麻央アナウンサー:
その場にいるみたい。でも、ぱっと現実世界を見ると何もいなくて。どうなっているの!

新潟市 都市政策部 宮崎博人 政策監:
実際に現実の街に、こんなに大きいものがいるというのはあり得ないが、こういうような形で新しい技術「XR」を使うと、あたかも本当に現れたかのように映すことができる

この不思議な空間を生み出すのは、現実と仮想の世界を融合させる最新技術「XR」。
IT関連企業の誘致などに力を入れる新潟市は、この最新技術を「にいがた2km」エリアのにぎわい創出につなげる考えだ。
新潟市 都市政策部 宮崎博人 政策監:
魅力を改めて掘り起こして、色んな方々との協業の中で表現することを考えると、マンガ・アニメのコンテンツを、街を使って表現するというのは、新しいスタイルとして有効だと考えている

水島新司さんや高橋留美子さんなど人気マンガ家を数多く輩出している新潟市。
新潟市 都市政策部 宮崎博人 政策監:
新潟は、非常に優秀な人材を東京や日本中に供給しているということで有名。逆に言うと、なぜ、そんなに人口を容易く手放しているのか、業界から不思議に思われていると聞いている

そんな新潟市が、まずXR技術を使って打ち出すのが「マンガ・アニメの街」のPR。
古町地区に掲示されているQRコードを読み込むだけで、巨大なキャラクターの街中ライブを楽しめるほか、景色とともにキャラクターとの記念撮影もできる。


街の人:
子どもとかも興味あるキャラクターとかなら、それを撮りに来る子もいて、ちょっとはにぎわうかなと思う
街中でのXR技術の活用は東京や大阪でも行われているが、行政が関わり推進するのは新潟市だけ。
未来のアニメーターの目にも魅力的に映っているようだ。
(Q.描いたものが動いたら?)
アニメーションを学ぶ学生:
光栄。自分で宣伝する。やる気にもつながる
最先端技術で地域の課題解決へ
さらに、こうした最先端技術を活用し、新たな挑戦を始めた企業もある。
メビウスDXコンサル部 林雅人 副部長:
情報ハブということで、ARを入り口にして新潟に来ていただいた観光客や地元住民にARで情報に触れていただいて、そこから別の情報に飛んでいただくということを考えている

新潟市中央区でソフトウェアの受注生産などを行うIT企業が新潟市と連携し、仕掛けるのは、現実の街並みにバーチャル技術を使って、新たな情報を付け加えていくというもの。
バーチャル空間の中にある建物に、ロゴが入った看板を配置。

ここで実際に、その建物に行き、画面を通して見てみると、自分が作った看板が投影されていた。

さらにこんな仕掛けも!
メビウスDXコンサル部 林雅人 副部長:
この看板を押していただくと…
山中麻央アナウンサー:
ホームページに飛んだ!すごい!

こうした広告の掲出は、まだ実験段階。
メビウスDXコンサル部 林雅人 副部長:
今、北前船が飛んでいるが、歴史あるものや市の魅力を発信することも、ARであれば自由にできる

メビウスDXコンサル部 林雅人 副部長:
色んな方々に新潟の地に訪れていただいて、その現場の魅力を知ることができたら、観光・移住・地域の課題についても、デジタルで解決できる糸口があるんじゃないかと考えている。ARには、そういう可能性があると思って取り組んでいる
山積する課題に最先端の技術で挑み、新潟の魅力を発信できるか…

新潟市 都市政策部 宮崎博人 政策監:
総合的な古町の魅力を世界に伝えるために、新しい映像技術というのは重要になると考えている
現実だけでは見られない新潟市の新たな表情が、最先端技術との融合によって生み出されていく。
(NST新潟総合テレビ)