「北海道南西部にミサイル落下予測…」

北朝鮮が4月13日弾道ミサイルを発射し、政府は日本の領域内に落下する恐れがあるとしてJアラートを出した。しかしその後、落下の可能性がなくなったと訂正し、混乱が広がった。

「直ちに避難」緊迫の情報は13日午前7時55分に鳴り響いた。

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緊急情報を知らせるJアラートの画面には「ミサイルが、08時00分頃、北海道周辺に落下するものとみられます。直ちに避難して下さい」と表示されていた。

Jアラートが出た時点で、落下の予測時刻までわずか5分。

突然の避難指示に、北海道では登校中だった小学生が走って急ぐ様子も。

JR北海道では一斉に鉄道の運転を見合わせた。

一方、すぐに止まれないのが上空の旅客機。

午前8時過ぎ、北海道に向かう津軽海峡上空の機内では…

機長アナウンス
このミサイルの影響に伴いまして、皆さまの降機が遅れることが予想されます

発射されたのはICBM(大陸間弾道ミサイル)級の可能性があるもの。北海道庁でも職員が対応に追われていた。

政府関係者によると、当初、ミサイルの本体もしくは一部の部品が「北海道南西部の陸地を含む日本の領土・領海に落下する恐れがある」と推定されていたことがわかった。

北海道南西部の観光都市・函館では、これまでとは異なる緊張感に包まれたとの声が聞かれた。

函館市民
(アラートは)すごい音でした。今回は緊張感ありましたね。北海道のどこかに落ちるという情報があったので。観光客の方はみんな上を見上げていましたね

また高速道路で「ミサイル落下情報」と書かれた表示板を見かけた人は…

撮影者
こんなの生まれて初めて見る看板だと思って。そのアラートの内容も「危険です。逃げてください」だったんですけれど、どこにどうやって逃げたらいいか分からない

午前8時15分過ぎ 事態が急変

Jアラートの発令や避難指示によって混乱が広がる中、午前8時15分過ぎ、事態が急変する。

めざまし8特番
北海道周辺に落下するものとみられるとして発表いたしましたが、落下の可能性がなくなったことが確認されましたので「訂正いたします」という。これは首相官邸危機管理センターからの情報です

政府は「北海道周辺への落下の可能性はなくなった」と情報を訂正。

午前の松野官房長官会見では、情報を訂正した経緯について質問が飛んだ。

松野官房長官会見
あの、今回Jアラートの情報を訂正したということではありません

松野氏は「ミサイル探知直後にレーダーから消失したが、システムが予測した航跡から国民の安全を最優先する観点で発令した」と説明。訂正ではないとの認識を示した。

岸田首相も視察先の大阪市で記者団に対し、「発令の判断は適切だった」と強調した。

去年もJアラートで誤情報騒動

Jアラートをめぐっては、2022年11月誤情報が発令されたとして批判の対象になっていた。

今回も落下情報の訂正に至った経緯に問題はなかったのか、国民への情報提供のあり方など今後の議論になりそうだ。

番組ではコメンテーターでジャーナリストの柳澤秀夫さんに話を聞いた。

柳澤秀夫さん
今回2つポイントがあると思います。韓国側からの情報で、これまでにないミサイルだったようだと。これは固体燃料を使ったミサイルではないかということを示唆するんですけれど、そうなると、いつどこから打たれるかわからないので脅威はますます高まると思うんです。もう1つは、官房長官が探知直後にレーダーから消えたと。これは北朝鮮のミサイル発射が成功だったのか失敗だったのか、もし失敗だったとすると日本の探知能力が追いついていなかったのかどうか。いずれにしても北朝鮮がどういう発表をするのかしないのか、その辺がポイントになると思います

(イット! 4月13日放送より)