
イギリスのヘンリー王子が27日、ロンドンの裁判所に姿を見せた。物議を醸した“暴露本”の発売後、イギリスを訪れたのは、これがはじめてだ。

黒いタクシーから降りてきたヘンリー王子に、慌ててレンズを向けるカメラマン。

現れたのは、ロンドンの王立裁判所だ。

記者:
イギリスメディアの犯行を摘発するのが、自分の義務だと言っていましたが?
ヘンリー王子:
おはよう。

歌手のエルトン・ジョンさんらとともに、電話の盗聴や銀行口座への不正アクセスなど、違法な取材をされたとして、イギリスの大衆紙「デイリー・メール」の発行元を訴える裁判を起こしているヘンリー王子。

この日は、4日間に及ぶ予備審問の初日だった。


白いシャツとダークスーツに身を包んだヘンリー王子は、記者からの質問には一切答えず、時折、笑顔をみせる余裕を見せていた。

ヘンリー王子がイギリスで公の場に姿を見せたのは、2022年9月にエリザベス女王が死去して以来のこと。

今年1月に暴露本を発売してからは、初めての帰国となる。

裁判所から出てきたヘンリー王子が、待ち構えた報道陣の質問には答えず、車の方へ向かって行く。

車に乗り込む直前、集まった人から「ヘンリー王子、愛してる」との声が飛ぶと、「みんな、じゃあね」と軽く手を挙げて応じていた。

ヘンリー王子の姿を写真に収めたカメラマンは「ヘンリー王子が来るとは予想していなかった。本当に驚いた。特に正面から来たことに驚いた。来るとしたら、裏口から来ると思った。非常に驚いた」と話す。

ヘンリー王子がイギリスに来ていることは発表されておらず、報道陣も驚きを隠せなかった。

王室との関係悪化により、5月に行われるチャールズ国王の戴冠式に出席するかどうかが関心を集めているヘンリー王子。

イギリスメディアによると、チャールズ国王は、29日からドイツを訪問することから、今回の滞在中に面会が実現する可能性は低いとみられている。

暴露本の出版やドキュメンタリー番組の配信などで、王室批判を繰り返しているヘンリー王子。5月の戴冠式まで、注目を集め続けそうだ。
(「イット!」3月28日放送より)