「ぐんまちゃん」着ぐるみの貸し出し、9月で終了

2014年の「ゆるキャラグランプリ」で1位に輝いた、群馬県のマスコットキャラクター「ぐんまちゃん」。

ぐんまちゃん(提供:群馬県)
ぐんまちゃん(提供:群馬県)
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知名度を上げるため、群馬県は2000年から有料で着ぐるみを貸し出してきたが、2020年9月末で終了すると5月12日に発表した。

週末や行楽シーズンは引っ張りだこで、2019年度は787件、貸し出されるほどの人気となっていたのだが、「ぐんまちゃんのイメージに合わないふるまいをしていた」というクレームが相次いで寄せられ、終了を決めたのだという。

群馬県の公式サイトには、ぐんまちゃんのプロフィールとして
・誕生日 2月22日
・年齢 7歳
・モチーフ ポニー
・平成24年(2012年)12月21日から群馬県宣伝部長に就任しました

と、書いてあるが“ぐんまちゃんのイメージに合わないふるまい”とは、一体どのようなものなのか?

群馬県・メディアプロモーション課の担当者に話を聞いた。

ドカドカ歩く、愛想がない…

――ぐんまちゃんの着ぐるみは何体ある?

18体です。

――レンタル料金は?

1回、1万300円(税込)。7日以内に返却してもらいます。

――9月末で貸し出しを終了。これはなぜ?

着ぐるみの貸し出しは、ぐんまちゃんの知名度を上げるために始めたもので、結果として知名度を上げることができました。

一方で、“借りた方が着ぐるみを着てイベントなどでふるまうシステム”のため、ぐんまちゃんファンの方から「ぐんまちゃんのイメージに合わないふるまいをしていた」といったクレームが相次いで寄せられるようになりました。

このままだと、ぐんまちゃんのイメージが崩れてしまうという危機感があり、マニュアルを作成。“かわいく見えるポーズ”などを示して改善を図りましたが、クレームは寄せられ続けていました。

こうしたことから、ぐんまちゃんのイメージを守るため、昨年度中に貸し出しの終了を決めました。

(提供:群馬県)
(提供:群馬県)

――ぐんまちゃんのイメージに合わないふるまいとは?

ぐんまちゃんは子どものポニーで「永遠の7歳」という設定。“のんびり、おっとりとしていて、好奇心旺盛”というイメージです。

こういったイメージなのにもかかわらず、「ドカドカ歩いたり」「突っ立ったままで愛想がなかったり」といったふるまいが報告されています。

また、背が高い方が着ていたケースでは、「子どもというイメージに合わない」といった声もあ寄せられていました。

マニュアルで示した「かわいく見える18のポーズ」

――作成したマニュアルにはどんなことが書かれている?

「着る順番」といった基本事項や「着る方の身長は165センチぐらいが適正」「着替えている姿を見せない」などの注意事項などです。

あとは、「かわいく見えるポーズ」を18パターン例として示しました。

――「かわいく見えるポーズ」たとえば?

「あいさつをするときの決めポーズ」。
こちらは”手を挙げて、足を少し上げる”と決まっています。

あいさつをするときの決めポーズ(提供:群馬県)
あいさつをするときの決めポーズ(提供:群馬県)

この他には、「首の傾げ方」「困ったときの頭の押さえ方」「子どもの前でのしゃがみ方」などを例として示しました。

――マニュアルの作成後、事態は改善した?

改善しましたが、クレームが寄せられているという状況は変わりませんでした。

――貸し出すことでこのような事態になることは想定していた?

想定していませんでした。
 

群馬県は、10月から新たに「ぐんまちゃんキャラバン隊」を設け、基本無料で、ぐんまちゃんと“お世話係”を出張する形式に切り替える。
出張の対象は県のPRや県産品の販路拡大につながるイベントに限り、申し込みは7月1日からインターネット上の「ぐんま電子申請受付システム」で受け付けるという。
 

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プライムオンライン編集部
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