2008年に平城遷都1300年祭のマスコットキャラクターとして誕生した「せんとくん」。

奈良県は、商品などの販売予定額の3%をライセンス料として納めることを条件に、せんとくんのイラストを利用することを認めている。

そのライセンス料に関して一部のメディアが、平城遷都1300年祭が行われた2010年度には約4900万円だったが、その翌年、2011年度には約699万円に激減。2016年度は154万円まで落ち込んだ、と伝えている。


せんとくんといえば、誕生当時、従来のゆるキャラとは一線を画したデザインに様々な意見が寄せられたことをご記憶だろうか。
仏に鹿の角を生やしたような姿に「かわいくない」「仏様を侮辱している」と異議が唱えられたが、この騒動がかえっていいPRとなり、このデザインにも見慣れたのか、次第に受け入れられるようになっていった。

誕生から10年、ライセンス料収入の激減は本当なのか?そして、せんとくんを所有する奈良県はどのように受け止めているのだろうか?

奈良県観光局観光プロモーション課の担当者に聞いた。

増えていた「せんとくん」のバリエーション

――まずは現在、利用できるせんとくんのイラストを教えて下さい

まずは、こちらの「せんとくん」です。

その後、2012年度に、奈良県は現在も取り組みを進めている「記紀・万葉プロジェクト」をスタートさせましたが、それに合わせてさまざまな場面で、せんとくんを活用できるよう「官服」「桜」「紅葉」の3種類のせんとくんを制作しました。

奈良県庁に“就職”した『せんとくん』にふさわしい、古代の役人の服装である官服姿
春にふさわしい桜の冠と薄紅色の衣装姿
秋にふさわしい紅葉の冠と朱色の衣装姿

――せんとくんのライセンス料収入の推移を教えてください

ライセンス料収入の推移は以下のとおりです。

2011年度:699万6000円
2012年度:394万2000円
2013年度:384万4000円
2014年度:229万2000円
2015年度:189万円
2016年度:154万9000円
2017年度:161万5000円


なお、「平城遷都1300年記念事業協会」がせんとくんを所有していた2010年のライセンス料収入は、奈良県の資料によると、4908万7000円となっています。

<補足>
そもそもせんとくんの所有者は「平城遷都1300年記念事業協会」だったが、1300年祭が終了した後の2011年からは奈良県に移され、「奈良県の職員」として奈良県のPRを行っている。


「収入差は単純比較ができないため、困惑している」

――「ライセンス料収入が激減している」との報道、ご覧になってどう思われましたか?

困惑しています。

――それはなぜなのでしょう?

せんとくんはもともと2010年開催の平城遷都1300年祭のマスコットキャラクターで、土産物や関連グッズの販売によるイベントの盛り上がりや収益拡大などの効果を狙って有償利用が認められてきました。

1300年祭終了後、奈良県では、せんとくんの知名度を民間経済活動にも活用してもらえるよう商品などにせんとくんのイラストを使用することを認め、一定のライセンス料をいただくこととしているもので、単純に比較できないからです。


――では、せんとくんのライセンス料収入が減少傾向にある現状をどう感じていますか?

おかげさまで、せんとくんは高い知名度を得ており、このせんとくんの知名度を活用し、県産品や農産物のパッケージなどに使用し、販売促進などにつなげてほしいので、みなさまにもっと活用していただけるよう、引き続きPRしていきたいと思います。


――日本リサーチセンターの全国キャラクター調査ではせんとくんの認知率は、くまモン、ふなっしーに次ぐ第3位。この結果はどう受け止めていますか?

せんとくんは誕生から10年経っても認知度が高く、奈良県の顔として活躍し続けています。
そのことは、イベントなどにせんとくんが出演したときの来場者の反応などでも実感しているところです。

今年4月から新バージョンが登場!

実は、今年4月にせんとくんの新バージョンが登場していた。
昨年、奈良県で「第32回国民文化祭・なら2017」「第17回全国障害者芸術・文化祭なら大会2017年」が開催され、そのマスコットキャラクターとして「はかま姿」のせんとくんを制作。
この大会は終了したが、「はかま姿」のせんとくんも人気があったため、新バージョンとして追加した。

ライセンス料収入が減少しているのは事実だが、誕生から10年経った今も認知度は依然高いせんとくん。
奈良県では、多くの人に活用してもらえるようさらなるPRをしていくという。