末期がんの患者らに対し、国に無届けで会社の未公開株を売って約80億円を集めたとみられる事件。男は集めた金の一部を愛人に貢いだり、キャバクラでの飲み代などに使っていたことが分かった。

新薬開発への情熱訴え 配当金の支払いは一切なし

金融商品取引法違反の容疑で逮捕された、健康食品販売会社ウィンメディックスの社長、白木茂容疑者(45)と元取締役の西昭洋容疑者(42)。

金融商品取引法違反の容疑で逮捕 健康食品販売会社ウィンメディックスの社長、白木茂容疑者(45)
金融商品取引法違反の容疑で逮捕 健康食品販売会社ウィンメディックスの社長、白木茂容疑者(45)
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2人は2021年12月、「がんに効く新薬を開発している」などとうたい、国に無届けで会社の未公開株を売った疑いが持たれている。

2人は3月10日午前、検察に身柄を送られた。

白木容疑者宅の捜査 証拠品が入ったとみられる段ボール箱
白木容疑者宅の捜査 証拠品が入ったとみられる段ボール箱

東京都文京区にある白木容疑者の自宅の捜索では、事件を裏付ける証拠品が入ったとみられる段ボール箱が次々と運び出されていた。

会社のホームページでは、「末期がん患者を救った男のストーリー」と題したアニメ動画の中で、白木容疑者は自身の生い立ちや、新薬開発への情熱をアピールしていた。

「末期がん患者を救った男のストーリー」と題したアニメ動画
「末期がん患者を救った男のストーリー」と題したアニメ動画

動画では、「一人でも多くの命をすくってゆきます。私たちはヨウ素製剤でがん治療を変えてゆきます」などと紹介している。

“ヨウ素製剤”とは、白木容疑者の会社が、がん治療の新薬として開発していると説明している「コロイド化ヨウ素」のこと。

(右)健康食品販売会社ウィンメディックス 元取締役、西昭洋容疑者(42)
(右)健康食品販売会社ウィンメディックス 元取締役、西昭洋容疑者(42)

白木容疑者らは、コロイド化ヨウ素が認められば高額配当を受けられるなどとうたい、末期がんの患者ら約1万5000人に株を売り、約80億円を集めたとみられている。

しかし、これまでに配当金が支払われたことは一度もない。警視庁によると、5年間で集めた80億円のうち約8億円が、白木容疑者に流れたとみられている。

白木容疑者は、その金を愛人に貢いだほか、キャバクラでの飲み代、ロレックスなど5本の高級腕時計や高級外国車「ベンツ」などの購入に充てていた。

使途が不明な金も数億円あり、警視庁は詳しい金の流れを調べる
使途が不明な金も数億円あり、警視庁は詳しい金の流れを調べる

一方で使途が不明な金も数億円あり、警視庁は詳しい金の流れを調べている。

(「イット!」3月10日放送)