“絶叫NG”のジェットコースター、“距離を保つ”お化け

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、2月末から臨時休業していた、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は6月8日から営業を段階的に再開する。

テーマパークや遊園地が営業再開へ動き始める中、東日本遊園地協会と西日本遊園地協会は、運営側が感染予防のために実施すべき対策をまとめたガイドラインを5月22日に発表した。

まず、来場者・従業員ともに、マスクまたはフェイスシールドの着用を励行。特に、来場者に接する従業員はマスクの着用を必須とする。

そして、実際に来場者がアトラクションを楽しむ際のスタッフ側の留意点もまとめている。

「ジェットコースター」は、来場者に対して、“大声での発声は控える”ように促す。

「お化け屋敷」では、お化けは来場者と“できる限り離れる”。

「キャラクターショー」では、来場者に“声援や大声を出させるようなことは行わない”よう配慮する。

「着ぐるみ」は、“来場者に触れることのない”よう留意する。


これらはガイドラインの一部だが、ジェットコースターで絶叫しない、人気キャラクターに触われない…と遊園地の醍醐味を削ぐものでもあり、感染拡大を予防しながら、遊園地を運営することの難しさを感じさせるものだ。

では実際に遊園地が再開した際、このガイドラインのもと、どのような運営を考えているのか?

まずは、臨時休園中のよみうりランド(東京都)の広報担当者に話を聞いた。

よみうりランド「アナウンスや貼り紙などを検討」

――このガイドラインをどのように受け止めている?

ガイドラインを踏まえ、現場において試行錯誤をしながら、周辺状況や施設様態等も考慮した創意工夫も図りつつ、新型コロナウイルスの感染防止に取り組みます。


――ジェットコースターの“大声での発声は控えるよう促す”。こちらはどのようなかたちで行うことを考えている?

現在、検討中ですが、アナウンスや張り紙などを検討しております。

ジェットコースター(イメージ)
ジェットコースター(イメージ)
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お化け屋敷は“脅かし役”なしでの運用を検討

――お化け屋敷では、お化けがマスクもしくはフェイスシールドを着用する可能性はある?

脅かし役(お化け)なしでの運用を検討しています。

お化け屋敷(イメージ)
お化け屋敷(イメージ)

――着ぐるみに関して。お客さんとのふれあいを防ぐためにどのような方法を考えている?

出演の可否に関して、検討しております。


――こうした状況でよみうりランドに来場する方にはどのように楽しんでもらいたい?

お客様にご不便をおかけしますが、ご理解をいただき、お楽しみいただきたいです。
 

西武園ゆうえんち「着ぐるみとは別に誘導するスタッフを配置」

そしてもう1カ所、こちらも臨時休園が続いている、西武園ゆうえんち(埼玉県)の広報担当者にも話を聞いた。

――このガイドラインをどのように受け止めている?

新型コロナウイルスによる感染防止に向けて、お客さまと従業員の健康と安全に守るため、重要であると受けとめています。

このガイドラインに基づき、衛生的な施設・設備を提供できるように清掃・消毒を強化実施し、身体的距離の確保と十分に換気された空気環境を確保するよう努めます。


――キャラクターショーに関して。お客さんに声援や大声を出させないために、どのようなかたちで行うことを考えている?

当面の間はキャラクターショーの開催は見合わせます。開催できる状況になった場合は、開催時に事前にMCによる注意事項の放送案内や案内看板の設置を実施します。


――着ぐるみに関して。お客さんとのふれあいを防ぐためにどのような方法を考えている?

当面の間は出演を見合わせます。

開催できる状況になった場合は、着ぐるみとは別にグリーティングスタッフ(着ぐるみを誘導するスタッフ)を配置し、注意しながらご案内します。

着ぐるみ(イメージ)
着ぐるみ(イメージ)

ーージェットコースターとお化け屋敷は?

ございません。

 

飛沫感染や3密のリスクを考えると、今まで通り来園者が楽しんだ場合、遊園地で新型コロナウイルスに感染する可能性を否定できないだろう。そこで、ガイドラインのもと、来園者の安全を守りながらも楽しんでもらおうと、試行錯誤していることが分かった。

当面は通常通りとはいかないが、新しい生活様式に合わせ、コロナ禍の遊園地の楽しみ方を見つけるのもいいかもしれない。
 

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プライムオンライン編集部
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