原材料の高騰などによる、相次ぐ値上げ。加工食品を中心に、1日から5463品目が値上げされた。

2月1日~ 加工食品など5463品目が値上げされた
2月1日~ 加工食品など5463品目が値上げされた
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値上げされる商品は、2023年に入り、すでに前年の倍のペースで増加している。家計への負担は増すばかりだ。

材料全て値上がり…商品包む袋まで パン店“努力にも限界”

取材は、東京・江東区にあるベーカリーショップ「ペル・エ・メル」を訪ねた。

店員は、「原価率は10%くらい上昇してしまっています。看板商品のカレーパンを揚げる油とか、材料すべて上がっていますね」と明かす。

ベーカリーショップ「ペル・エ・メル」の看板商品、カレーパン
ベーカリーショップ「ペル・エ・メル」の看板商品、カレーパン

店員:
包んで出しているものが多いので、1.5倍ほど包材関係は上がっています。

パン作りに必要な油やチーズなどに加え、商品を包むための袋にまで値上げの波が及んでいた。

買い物客は「お店側の(値上げしない)努力を肌で感じますね。ありがたいです」と話すが、一方で、店舗側の努力にも限界が来ているという。

店員:
(商品の値上げは)今のところはしていないですが、4月の値上げはやむを得ない状況。

あれもこれも…値上げ続々 買い物客「日頃使うものが結構上がっている」

帝国データバンクによると、1日から、加工食品を中心に5463品目が値上げされた。値上げの要因として挙げられたのは、ほぼすべての品目で「原材料の高騰」だ。

味の素冷凍食品やニチレイフーズなどは、家庭用の冷凍食品を約2~25%値上げ。

2月~、各社が続々と値上げ
2月~、各社が続々と値上げ

また、カゴメのトマトケチャップやブルドックソースなどの調味料も値上がり。

2月~、各社が続々と値上げ
2月~、各社が続々と値上げ

江崎グリコの「ポッキー」など、菓子も価格が上がった。

このほか、メルシャンのワインや、アサヒ飲料の「モンスター」など、値上げは飲料にも広がっている。

1日、取材班は、東京・足立区にある安さが売りのスーパー「生鮮市場 さんよう」を訪れた。このスーパーでは、パスタソースやチルド麺が値上げの対象となったという。

スーパー「生鮮市場 さんよう」(東京・足立区)では1日、チルド麺やパスタソースなどが値上げの対象に
スーパー「生鮮市場 さんよう」(東京・足立区)では1日、チルド麺やパスタソースなどが値上げの対象に

止まらない値上げラッシュについて、買い物客はどう感じているのだろうか?

買い物客:
マヨネーズも上がってるし、ケチャップも上がってるし 日ごろ使うものが結構上がってどうしようかと。

さらに1日、森永乳業も新たな値上げを発表。3月1日からは家庭用アイスや飲料など、4月1日からはヨーグルトやチーズなどが対象となる。

2022年から家計を揺るがしている、値上げラッシュ。
帝国データバンクは「2022年上昇したコストをいまだ十分に価格転嫁できていない企業も多く、当面は値上げの動きが続くとみられる」と指摘している。

続く値上げの波 賃上げ“待ったなし”の状況

続く値上げの波。「イット!」では、住田裕子弁護士に話を聞いた。

宮司愛海 キャスター:
値上げが家計を圧迫、これまで続くとやはり賃上げは待ったなしでしょうね?

賃上げについて「余力があり内部留保しているところはドンとやってほしい」と語る住田弁護士
賃上げについて「余力があり内部留保しているところはドンとやってほしい」と語る住田弁護士

元東京地検検事・住田裕子 弁護士:
そうですよね、今回も政府が言っていますが、まず大企業で余力があって内部留保しているところはドンとやってほしいと。それから中小企業を含めた成長企業の人材をちゃんと取るためには、高賃金の人を集めて、そしてその勢いがあるところから全体に流れていくという。そういう成長戦略を描いて欲しいと思います。

(「イット!」2月1日放送より)