1月23日の通常国会召集にあわせて実施したFNN世論調査で、岸田内閣の支持率は、前回調査からほぼ横ばいの37.7%だった。また、今国会で大きな焦点となる「防衛増税」に「反対」は67.3%にのぼった。防衛増税の実施前に衆院の解散・総選挙を「行うべき」は60.4%だった。
【岸田内閣支持率37・7%で下げ止まり】
FNNは、1月21・22日の両日、全国の18歳以上の男女を対象に、電話世論調査(固定電話+携帯電話・RDD方式)を実施し、1026人から回答を得た。
岸田内閣を「支持する」は、昨年12月の前回調査より0.7ポイント増えて37.7%。「支持しない」は0.6ポイント増えて58.1%。昨年5月には68.9%だった岸田内閣の支持率は、その後下落が続いていたが、下げ止まった形だ。
この記事の画像(7枚)自民党の中堅議員は、「全体的に支持と不支持を逆転させないとつらい」とした上で、「でも(支持率が)上がる要素がない」と語った。
【「防衛増税」反対67.3% 増税前に解散総選挙を60.4%】
岸田首相は、昨年12月、防衛費を抜本的に化するため、防衛費を大幅に増額する方針を決めた。政府は、歳出改革、決算剰余金の活用などを行っても足りない分をまかなうため、今後、法人税、所得税、たばこ税を段階的に増税していく方針だ。
防衛費の増額について、「賛成」は50.7%、「反対」は42.8%。賛成が反対を上回った。
一方、防衛費増額のための増税は、「賛成」が28.9%に対し、「反対」が67.3%で、反対が約7割となった。
さらに、「防衛増税」を実施する前に、国民の声を聞くため、衆院の解散・総選挙を「行うべき」という人は60.4%と、6割にのぼった。「行う必要はない」は32.7%だった。
野党は、国会審議のないまま政府が防衛増税の方針を決めたのは容認できないとの認識で一致し、23日召集された通常国会で、岸田首相を追及していく方針だ。国会で激しい論戦が予想される。
ある自民党議員は「増税一色になったら、支持率がまた下がるだろう。でも増税議論をしなければいけないからきつい」と話す。また、別の自民党議員は「『増税国会』とやられるのは厳しい。解散は当分できない」と語った。
【「異次元の少子化対策」賛成82.9% 国民負担増は賛否が半々】
岸田首相は、「従来とは次元の異なる少子化対策」を実現するとして、6月までに、将来の子ども・子育て予算倍増に向けた大枠を示すと表明している。
子ども関連予算の倍増に「賛成」は82.5%と、8割を超えた。「反対」は13.2%だった。
一方、少子化対策のため、増税や社会保険料の増額など国民の負担が「増えても仕方がない」と思う人は48.0%。「増やすべきでない」は48.9で、意見が別れた。
岸田首相は、この国会で、防衛費の大幅増や「異次元の少子化対策」で国民の賛同を得て、支持率を上昇させることができるのか。自民党内からは「異次元で相当期待値が上がっているが、世間が異次元と捉える支援策を打ち出すとの大変だ」との声もが出る。
国会での議論の行方が注目される。
(フジテレビ 報道局政治部 編集委員 三嶋 唯久)