新型コロナウイルスの感染拡大を受け、変化する生活。
5月25日には緊急事態宣言が全国で解除となったが、外出自粛の生活が長く続いた中で、大きく変化したのが「外食」への意識だろう。

多くの飲食店が営業を停止・縮小する中で、出前を利用することが増えたり、あるいは自炊が増えて負担になっていたり、という人も多いはず。

そんな中、家にある食材だけで作れるレシピアプリ「pecco(ぺっこ)」を運営する株式会社GEEK WORKSが、緊急事態宣言解除後の食生活の意識変化についての調査結果を公表した。

外食「減る」が7割…宣言解除後の生活

全国の10代~60代以上の男女1,010名を対象に、5月15~18日の4日間、インターネットリサーチで行われたこの調査。
(※14日に39県の緊急事態宣言の解除が発表された後で、解除されていない地域の人も意識の変化について回答)

まず、緊急事態宣言解除後の外食頻度については、「宣言前より減る」「少し減る」と考えている人が全体の70%、「宣言前と同じ」が25%、「宣言前よりも増える」が5%

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また、宣言解除後の出前の利用頻度については、「宣言前と同じ」が68%、「減る」「少し減る」が21%、「宣言前よりも増える」は11%にとどまる結果となった。
 

「自粛疲れより自炊疲れ…」今後の生活の変化は

そんな中で注目されているのが「自炊疲れ」という言葉だ。

まだまだ感染リスクが高く外食は減らしたいが、デリバリーも使わない…という生活で必然的に増えるのが、自炊の機会。

SNSでは「自炊ばかりで、もう作るの疲れてきた」「自粛疲れより自炊疲れがある」などの声が挙がっているが、宣言解除後の自炊の頻度について聞いてみたところ、「宣言前と同じ頻度で自炊する」が58%、「宣言前より増やす」「やや増やす」が38%という結果になり、「宣言前より減らす」はわずか4%となった。

宣言前より「外食頻度が減る」と答えた理由の多くが「まだ感染リスクが怖い」という一方で、出前の利用頻度が増えない理由として多かったのは「単価が高いため金銭的に厳しい」というもの。

宣言の解除後、外出する人が増えることで感染の再拡大が危険視されている現在。
そのリスクを考え、外食する人が一気に増えるということが無さそうなのは良い傾向かもしれないが、代わりにデリバリーを使うという生活スタイルには移行していないことが調査結果から見えてきた。

この調査は緊急事態宣言の全面解除前に行われたものだが、今後“外食自粛ムード”はどう変化していくのか。また、レシピアプリのユーザーに変化はあったのか。株式会社GEEK WORKSにお話を聞いた。

外食頻度は徐々に回復…料理アプリのユーザー数は大幅増

――今回、宣言解除後の食生活の意識変化を調査したきっかけは?

今後の世の中の動向を知り、アプリユーザーのニーズに答えたサービス展開を素早く行うためです。


――25日に緊急事態宣言は全面解除となりましたが、今後は実際、調査結果のように外食が減っていく?

感染リスクの観点、営業時間短縮の観点から、外食頻度は減っていくと考えられます。営業時間が通常通りに戻れば、徐々に外食頻度の向上が考えられます。


――では、今後もしばらくの間続くだろう「自炊疲れ」に対して、どうすればいい?

"時短"や"簡単"などのキーワードがアプリでも伸びており、料理時間の短縮が求められています。献立を考えるという時間が自粛疲れの要因にもなっており、献立を考える時間を減らし、スーパーなどに買い物に行く頻度を減らし、大量買いによる節約に繋げられるよう、peccoを通してサポートしていきたいです。


今後、外食の機会は減り続けるわけではなく、徐々に回復していくととらえているというが、そうなると、しばらくの間続きそうなのが問題の「自炊疲れ」。

献立を考えることや食材の買い出しは“見えない家事”とも呼ばれる隠れた手間だが、GEEK WORKSでは、今家にある食材を登録することで、その食材を生かしたレシピを教えてくれる料理アプリ「pecco(ぺっこ)」iOSAndroidともにダウンロード無料)でのサポートを提案している。

料理アプリpecco(ぺっこ)サービスサイトより
料理アプリpecco(ぺっこ)サービスサイトより

2019年11月14日にリリースされた「pecco」のダウンロード数は、緊急事態宣言前と比べて実に180%と大幅に増えているという。
ゴールデンウイーク以降は120%にとどまっているというが、いかに自炊に対する意識が高まっているかがわかる。

一方で、自炊が苦痛であるという意見ばかりではなく、peccoのユーザーからはアプリの利用で献立を考えるのが楽になったという声や、また、自炊生活で料理の腕が上がったから続けていきたいという前向きな意見も寄せられている。

外出にまだ不安が残る中、自炊についてストレスに感じてしまうことがないように、アプリの利用を含め様々な工夫をしていくことが必要になってくるはずだ。

オンライン飲み会は外食の代わりにならない?

また、この他に調査を行ったのが、“自粛ムード”に疲れた人たちの間で盛り上がりを見せた「オンライン飲み会」の頻度について。

外食を減らしたいというニーズに合うはずだが、宣言解除後はオンライン飲み会を「利用しない」「あまり利用しない」人が実に81%、「たまには利用したい」が16%、「積極的に利用したい」はわずか3%にとどまった。

――外食を控えたい一方で「オンラインでの会食・飲み会」の利用に前向きでない理由は?

2つ要因があると考えます。
1つ目は、家族問題。結婚や同棲などを行っている場合は、パートナーや家族への気配りをする必要性から、なかなか実施出来ないと多くの回答を得ています。2つ目は、ITリテラシー。スマホやPCを使いこなし、オンラインで繋がるということが技術的に難しいこと。
結論、30代、40代など比較的若い層は、家族への気配りなどから、オンライン飲みが実施できず、50代、60代などは技術的な問題からオンライン飲みが実施できないため、利用に関して前向きではないと考えられます。


調査ではそもそも「オンライン飲み会の経験がない」人も79%と非常に多く、今後、外食の代わりに使うという生活スタイルが定着するには、時間がかかりそうだ。

新型コロナウイルスがいまだ終息しない中、緊急事態宣言は解除されても、すぐに元の生活に戻れるというわけではない。少しでも「自粛疲れ」「自炊疲れ」から解放されるための方法を模索していくことが、まだ続く新型コロナウイルスとの闘いの中で重要になってくるだろう。

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プライムオンライン編集部
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