不思議な姿と動きをしている海の生き物がTwitterに投稿され、話題となっている。
それがこちらだ。
「ウミシダ およぐ」🔍 pic.twitter.com/RU7vaZMw0r
— 京都大学舞鶴水産実験所 (@mai_fish_res_st) May 13, 2020
「ウミシダ およぐ」
「ウミシダ およぐ」とのコメントと共にTwitterに投稿されたは、水が張られた容器の中をユラユラと緑色の物体が漂っている動画。「ウミシダ」という名前から、一見するとシダの葉が揺られているだけかと思った人もいると思うが、「およぐ」となっているのでどうやら違うらしい。
この記事の画像(5枚)動画をTwitterに投稿したのは「京都大学舞鶴水産実験所」(@mai_fish_res_st)のアカウントで、公開実習に関する情報や、実験所の日常をいろいろつぶやいている。
Twitterでは「海で遭遇したらビビりそうてすがキレイです」「何回見てもこやつは奇妙」などの声が上がり、約1万6千件のリツイート、約6万件いいねがつくなど話題となっている。(5月25日時点)
「ウミシダ」は植物とは異なるのだろうか? そうだとするとなぜ植物のような見た目なのか?
生態について投稿した「京都大学舞鶴水産実験所」にとウミシダを飼育している京都大学白浜水族館お話を伺った。
ウニやヒトデ、ナマコといった棘皮動物の仲間
ーーそもそも、ウミシダは植物ではない?
植物ではなく動物です。
ーーどんな生き物の仲間になるの?
ウニやヒトデ、ナマコといった棘皮動物の仲間です。
ーー生態について教えて
一般的にウミシダの仲間は、海底にしがみついて生活しています。
ーー体の構造はどうなっている?
ウミシダ類の体は、口や肛門がある中心部と腕の部分からなります。
ーー何を食べているの?
ウミシダの仲間は、腕を使ってプランクトンや有機物を濾過して食べるとされています。
「速くても1秒に数センチ程度のスピードで泳ぐ」
ーー生息域を教えて
ウミシダの仲間は、房総半島及び佐渡島以南、本州中部から九州にかけて分布しています。
ーー普段は水中にいる?
常に水中にいます。
ーーどのくらいのスピードで泳ぐ?
正確な速度はわかりませんが、速くても1秒に数センチ程度だと思います。
ーーこの生物は珍しいの?
南日本の潮通しの良い岩礁では、特に珍しくない動物です。
逃げるときは魚にとって有害な毒を出すことも
ーー外敵などに狙われたときはどう対処する?
泳いで逃げることがあります。また、魚にとって有害な毒を出すことがあります。
ーー見た目が植物なのは身を守るため?
あまり活発に動かず、水流で流れてくる餌を羽根状の腕で集めて食べる動物です。身を守るためというより、このようなエサの取り方のための姿といえると思います。
ーー人が触れると棘や毒がある?
ヒトに対しての毒はありません。前述のように魚に有害な物質を出すことがあります。
ーー飼育は難しい?
かなり難しい部類です。きれいな海水と適度な水流、適度な細かさの餌が必要です。
ーー反響についてどう感じている?
何気なく投稿した動画が、このように注目を浴びたことに驚いております。海洋生物の多様性に光が当たったようで嬉しいです。
その見た目から、海藻などの植物かとも思ったが、ウニやヒトデ、ナマコといった棘皮動物の仲間だった。今回紹介した「ウミシダ」に限らず、私たちのまだ知らない生き物がこの世の中に溢れている。
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