国内最多の新型コロナウイルス感染者を抱える東京都は、政府の緊急事態宣言の延長に伴い、感染拡大防止協力金の第2弾追加支給を決めた。今回の放送では小池百合子東京都知事と中継を結び、第二波・第三波に向けた東京都の医療体制、コロナとの当面の共存に向けた都知事の方針、ロードマップのあり方についてうかがった。

1都3県の自粛緩和は、飲食店の営業時間も含め足並みを揃える

竹内友佳キャスター:
4月1日から5日(19日)までの新規感染数です。この動向をどうご覧になりますか?

小池百合子 東京都知事:
毎日感染者数が発表される15時にはハラハラ。過去1週間でみると83人で、1週間平均では12人。最多で100〜200人の時期もあったから、落ち着いてきた。しかし亡くなられる人の数が感染者以上であることも。人生を背負ってきた一人ひとりが、最後コロナに冒されるというこの状況。人の命を大切に、そして経済をどう維持するか。

反町理キャスター:
1都3県(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)会議では、国の基準をクリアしている県もしていない都県も、自粛の緩和を同じタイミングで行おうと一致された。飲食店の営業時間などについても足並みを揃えようという話ですか? 

小池百合子 東京都知事:
大野埼玉県知事が例示されたように、都内で飲み足りないぶんを埼玉に移動して飲み直すようなことが起きては困る。ここは団結して一緒に対策進めようと共同メッセージを発出した。

独自に「東京アラート」の可能性

竹内友佳キャスター:
先週発表された、外出自粛や休業要請を緩和する際の指標とロードマップの骨格。この数の根拠は?

小池百合子 東京都知事:
国の宣言解除基準は「1日あたりの感染者10人」。今の感染状況把握と感染拡大の兆候を察知するためのものと捉えている。都では3月下旬、新規感染者数が20人を超えたあたりで急激に拡大したため、1日20人(週あたり140人)を目安と設定した。接触歴不明(感染経路不明)率は、市中感染の拡大状況把握のための指標。新規感染者が20人未満ならばその50%は10人未満となり、この数字であれば市中感染リスクは低いとされているため。ただ1日に100人〜200人が感染していた時期に80人の感染経路がわからないことと、20人のうちの10人についてわからないことは異なり、クラスターの見つけ方も変わる。

反町理キャスター:
ロードマップには、「東京アラート」が2箇所に書かれている。東京アラートの前に国の緊急事態宣言が解除されてしまった場合、国の判断とは別に都が独自にオン・オフをかけていくということ?

小池百合子 東京都知事:
はい、それは現場を預かっている都の対応として考えます。今回の緊急事態宣言の発出・解除は国が責任を持って行っている。

反町理キャスター:
国の宣言解除と自治体の判断の間には時差があっても構わない? 国はできるだけ緊急事態宣言を再発出しないようにと動いているが、再発出のハードルの高さにおいて国と地方のギャップは?

小池百合子 東京都知事:
全体を見なければならない国と、目の前の都民・県民を守ることの間にはタイムラグが生じると思う。適時に必要な対策をスピーディーにと考え、3月25日に感染爆発の重大局面と述べた。その後緊急事態宣言を国が出し、休業要請などは特措法に従って出した。

協力金の支払いに「遅すぎる」の声…

竹内友佳キャスター:
都の補正予算の概要、感染拡大防止協力金については。

小池百合子 東京都知事:
休業要請に対して中小零細企業に協力いただいた。協力金を1日でも早く届けるために体制を強化し、都庁全体で取り組んでいる。

反町理キャスター:
一週間で2%という支払いスピードは遅すぎるとの指摘がある。審査スピードはどうにかならないのでしょうか?

小池百合子 東京都知事:
スピードを倍化させるため、人員を増強している。アルバイト先を失った学生にも協力してもらい、都庁として総計で600人のアルバイトを採用し、協力金の支給バックアップのお願いなどをしている。また、1回目の支給を受けた方は、2回目にはよりスピードアップして協力金を渡せる。

反町理キャスター:
今後東京アラートを発信する状況になると、再度営業自粛を求める可能性がある、その場合の協力金は? 3回目・4回目はある?

小池百合子 東京都知事:
5月中に国が解除の判断をするタイミングがあると理解しているが、仮に6月まで延長されるとなり、「協力金をもらうより営業したほうがよい」となってしまえば、法律も「お願いベース」なのでせき止めるものがない。その時で最も効果的な対応を見極める。

第二波に備えて病床を確保しておくかどうかは難しい判断

反町理キャスター:
入院患者が800人台にまで減ってきたとはいえ、ロードマップでも示されたように第二波が来る前提でうかがうと、用意しておかなければいけない病床数の目処は。

小池百合子 東京都知事:
東京都においては、都立・大学・民間病院合わせて3,300床を確保している。厚労省が3月に出した患者数が最多となる場合のシナリオによれば、ピーク時で患者が2万、うち無症状・軽症は1.6万。中等症以上の方が4,000人であるためこれを目標数値としている。

反町理キャスター:
現時点で3,300の病床を確保。現在800を使い2,500は備えている状態。これを第二波の可能性がある秋までキープするのか。病院にこれを要求できるか、補償する場合の予算はあるのか。

小池百合子東京都知事(右)、反町理キャスター

小池百合子 東京都知事:
難しい見極め。軽症者向けのホテルの状況なども見ながら臨機応変に。安心のための環境づくり、補償のお金の話、両方から考えていくこと。また病院経営もかなり圧迫されており、どこまでご協力いただけるか、見通し含めて関係の方々と連携していく。

反町理キャスター:
備えのための病床への補償のお金も2次補正予算に入っている?

小池百合子 東京都知事:
病院については、ご協力いただけるところへの支払いを含んでいます。

反町理キャスター:
軽症者向けのホテルの借り上げは7月末までという報道もあった。インバウンド観光客が戻ってくることも考え合わせつつ、借り上げ全てを終了ではなく、軽症者用として数百のベッドをキープという考えですか?

小池百合子 東京都知事:
今回の予算案にはそのための数字も載せているが、借り上げている5つの宿泊療養施設との契約期間もある。今のニーズと、今後生じるかもしれないニーズを考え合わせていくことになる。

9月までに35万件の検査を行う

竹内友佳キャスター:
現在、新型コロナウイルス感染症の診断にはPCR検査と抗原検査が使われています。感染歴を調べるのは抗体検査。厚生労働省による「抗体検査の結果東京都の陽性率は0.6%」という数字については。

小池百合子 東京都知事:
陽性率0.6%については、偽陽性が含まれる可能性が高いため正しい推計には至らなかったと聞く。ただ、無症状の方も多く、実際に抗体を保有している方の数を見るため、更に検査は必要。
抗原検査・抗体検査のため、計8億円の自己負担分を都が負うために予算としている。これで35万件の検査を9月までに達成できる。PCR検査も日に3,100件可能となっており、精度が高いので受けやすくしていく。都の医師会がPCRセンターを地区ごとに作ってくれている。これまでの取り扱いが難しい検査手法に代わり、感染しないような工夫もした上での唾液検査や郵便で可能とすることも含め、検査を身近なものとするように考えている。

(BSフジLIVE「プライムニュース」5月19日放送)