今年9月、富山県の神社に置いてあった100キロを超える石が突然、約10メートルほど移動していることに住民が気づいた。いったい、誰が?何のために?カギを握っていたのは石川県内に住む男性だった。一体、どういうことか?男性を直撃した。
この記事の画像(33枚)神社の置き石が勝手に移動!?
のどかな風景が広がる富山県小矢部市。不思議な出来事は、街の小さな神社で起きた。
記者:
こんにちは、石川テレビです。
地元の区長 西野 豊明さん:
こんにちは。9月の24日、土曜日…。資源回収日だったんです。この6つの石が、ここに並べてあったんです。
記者:
一列に?
地元の区長 西野 豊明さん:
そう、一列に、重い順に。
そのとき撮影された写真がこちら。
元の場所から約10メートル離れた場所に整然と重さ順に並んだ6つの石。
地元の区長 西野 豊明さん:
数字的には150キロほどあるかな、それが一番重たい。
記者:
区長さんは動かせる?
区長さん:
無理です!
一体、誰が、何の目的で動かしたのか…近所の人に聞いても心あたりはないと言う。
地元の人:
こんなの、持てるわけがない
地元の人:
神業かなとも思ったんですよ。
そこで地元の人たちは…
地元の人:
とりあえず記事になれば、どなたか名乗り出られるんじゃないかっていうことで、こういう文言で投げ込みさせていただいたんです。
その結果…すぐに名乗り出た人物がいた。
それが、重い石を持ち上げるこの人。金沢市に住む解体業、そばつぶさん(37)だ。
そばつぶさん:
知り合いとか友達から連絡が来て…「お前犯人か?」とか送られてきたので一発で気がつきました。夜だったんですけど、すぐに電話して謝罪してって感じで、びっくりしました。
なぜ、そばつぶさんは石を持ち上げたのだろうか?
実は富山県の神社にあった石は「盤持ち石(ばんもちいし)」や「力石(ちからいし)」と呼ばれている。
娯楽がなかった時代。この石は力比べに使ったり、能力の高さを証明したりするのに使われていたそうだ。
石川県内の神社にも「力石」は今も1000個以上が残されいる。
元々筋トレが趣味だったそばつぶさんは、去年、ネットで力石について知り、それを持ち上げる様子をSNSで発信している。
菟橋神社 上田秀一宮司:
おぉー、すごいですね!簡単そうにあげていてびっくりです。
そばつぶさん:
ありがとうございます。
ちなみに記者と宮司さんが動かしてみると…
記者:
動かない…
上田宮司:
あーーー
そばつぶさんは、なぜ力石にひかれたのだろうか?
そばつぶさん:
バーベル、ダンベルとかと全く違うもので、その面白さを感じたんです。同じ重さだとしても、自然にあって持ちにくいものなので、(石によって)体感は全く変わってきて、そういうとこも面白くて!
今では「力石」専門の本が愛読書だ。
そばつぶさん:
その場所の物語的な、武勇伝的なことも書いてあって、この石を担いだ人がいたんだ、みたいな気持ちになってロマンを感じています。
小矢部市の神社では、今回のことをきっかけにこんな変化が起きたと言う。
地元の人:
こんな石すごいな~って、来た人が触っていかれたよ(笑)
地元の区長 西野 豊明さん:
盤持ち石の存在を初めて知ったので、大切な石なんだなということを改めて認識した。今後、石をどういう風に保管していくか決めていきたいと思っています。
そばつぶさん、石以外にもみなさんの心を動かしたようだ。
そばつぶさん:
非常識なことでニュースになって申し訳ないんですけど、もともと力石の知名度を上げたり、自分よりすごい人が出てきてくれたりするのが目的だったので、それに近づけるような形になったのはうれしい。
今回、紹介したそばつぶさん、簡単そうに石を持ち上げているが、力石はかなり重い。挑戦したい人は神社の許可を取った上で、くれぐれも注意して行ってほしいとの事だ。
(石川テレビ)