同じ学年にも関わらず年齢が1年5ヵ月も違う

政府が関係各省の事務次官らを集めて会議を開くなど、本格的な議論が始まった9月入学。その課題の1つが4月から9月に入学時期を変えるに当たり、児童や生徒の学年をどう区切るのかという問題。

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現在は4月から3月末生まれで学年を区切っていたが、現在検討されているのは、9月から8月末までに生まれた子供を1学年とする案。この案1つだと、初年度だけはこれまで通り入学予定だった子供に加えて、次の年の4月から8月生まれの子供が、繰り上がる形で入学することになる。

それにより1学年の最年長は、7歳5カ月最年少は6歳と同じ学年でありながら1歳5カ月もの差が出ることになる。

3児の母である藤本美貴さんからも不安の声が…

現在、お笑い芸人の夫・庄司智春さんとの間にもうけた3人の子供の母親である藤本美貴さん。第2子となる女の子は、2015年8月生まれでまさにこの繰り上がり入学組に当てはまる。娘が6歳のときに7歳5カ月の子供と同じ学年になるかもしれないことに不安があると言う。

3児の母 藤本美貴さん:
小学生低学年の1年は、すごく大きいですよね。下手したら生まれた時に走ってる子と、一緒に同じ学年みたいな感じですもんね。中学生、高校生とかにまでやっていったら慣れていったりすると思うんですけど、小学校の小さい時の1年はすごく大きいので、小さい時の1年1年をどうやってクリアしていけばよいのか、親はちょっと心配になりますね。

この時期の子供たちにとって、1年以上の年の開きは大きいという。さらに1学年が17カ月分の児童となるため、人数が例年の1.4倍に増加することによる弊害もあると、藤本さんは指摘する

3児の母 藤本美貴さん:
小学校受験とか、中学校、高校とずっとその後も続いていくわけですよね。受験とかはやっぱり大変ですよね。月齢によって小学校受験する場合は、約1年半も違えば理解力も違うので、大変だろうなと思います。

入学と進学の時期のみを9月変更する案

こうした問題を避けるため、これまで通り4月から3月末までの区切りを変えず、入学や進学の時期だけを9月に変更するプランも検討されている。

月の幅を13ヵ月に増やし5年で完全移行する案

さらにもう1つは、入学する子供の生まれ月の幅を現在の12カ月間から13カ月間に増やすというもの。初年度に入学するのは、4月2日から翌年5月1日生まれの13カ月間の子供。次の年度から、さらにひと月ずつずらしていき、5年かけて完全移行。これら3つのパターンが検討の対象となっている。

3児の母 藤本美貴さん:
慣らしという意味でも、どうせ9月にしないといけないのであれば、一気にではなく、徐々に受け入れる側、送り出す側も慣れる意味で、徐々にやっていってほしいと思いますね。そしたら親側も徐々に心の準備と、自分たちができる子供の準備を進められるかなと思うので。

子供たちの学校生活がどうなっていくのか、親として心配は尽きないと話す。

9月入学の影響は大学受験にも

9月入学の影響は大学受験にも及んでいる。都立白鴎高校は現在、家からリモートで授業が行われているため、教室は誰もいない。休校による授業の遅れを取り戻そうと、3年の授業がオンラインで行われている。大学受験を控えた生徒たちに9月入学について聞いてみると、賛成と答えたのは11人中7人だった。

高校生3年 女子生徒:
賛成か反対かという意見より強くあるのが、もう9月にするのかしないのか、早く決めて発表してほしいというのが一番まずあって。

高校生3年 男子生徒:
早く判断してもらった方が、こっちとしても何か心構えというかそういうのもできるので、早く決めてほしいです。

海外留学などがしやすくなるメリットがあるという意見もあったが、多くの生徒から聞かれたのは「早く決めてほしい」という声。9月入学について校長は…

都立白鴎高等学校 善本久子校長:
グローバルスタンダードということを考えると、9月入学にすることには大きなメリットがあると思います。一方である特定の学年の生徒の人数が多くなるということは、大学入試のことなどを考えた時にも非常に大きな懸念材料にはなるんじゃないかなというふうに思います。

(「Live News it!」5月19日放送)